第47話

47羽
591
2020/04/04 16:28
勇太side

俺とあなたが仲良くなった理由…それは…。



俺たちは田舎生まれ田舎育ちで、両親が昔からの仲で俺たちは毎日のように会っていた

小学校低学年の頃…


俺は仲良くしたいって思えた
でもあなたはいつもあなたのお母さんの後ろに隠れて顔すら見せてくれない
勇太
あなたちゃん、一緒に外で遊ぼーよ
顔見せてあげな?なんて言うあなたの母はそっと俺の前にあなたを差し出した
わたし
…ぅっ/////
勇太
大丈夫だよ、ほら行こ?
俺はそっとあなたの手を握ると一緒に牧場を駆け回った

顔を赤くして目も合わせてくれないあなたは突然しゃがみこんで両手で顔をおおった
わたし
ままぁ…っ/////
勇太
あなたちゃん、どうしたの?大丈夫?
わたし
ままぁぁっ…、(泣)
勇太
え、!?
突然泣かれてびっくりしたよ…笑

でも、俺もしゃがみこんで一緒に泣いた
わたし
…じん、くん?…(グスッ
勇太
泣かないでよぉ、ぼくも寂しくなるじゃんかぁ(泣)
慌てたあなたはそっと俺の頭を撫でてくれた
わたし
ごめんね、もう大丈夫だよ、わたしっ、私がいるもんっ…/////
勇太
あなた…っ、(グスッ
情けないと今でも思う
でもその時泣いたおかげで今もこうやって一緒にいられてるんだ

その日から毎日のように一緒に遊んだ
お互いの牧場を駆け回って遊んだり、手を繋いでお散歩したり、牧場の動物たちと触れ合ったり、
今まで見ることが出来なかったあなたの笑顔。

今では普通に笑ってくれてる
それだけでも幸せだよ?

中学生の頃になるともう大親友で、
わたし
じんー、遅いから先行くねー?
勇太
ちょっと、置いてかないでよ
わたし
遅刻したくないし
勇太
たまには遅刻も悪くないと思うけど??
わたし
遅刻は悪いものなの〜
勇太
あ、ちょっと!笑
俺を置いて先に行ってしまうあなた

でも嫌だとか嫌いとかそんなこと思ったりなんて1度もなかった
だって、俺はそんなあなたが大好きだったから


あなたが男性恐怖症だって知ったのは小学4年の頃ぐらい

周りの男子たちがあなたにちょっかいを出せばあなたは顔を赤くし震えてその場にしゃがみこみ耳をおさえて泣いていた

俺は決まってその男子たちを追っ払ってはあなたを慰めていた
あなたは俺にしがみついては泣きじゃくってた
でも、俺は怖くない、その特別感がさらに、俺を好きにさせる


でも告らない。

告ったら俺は嫌われることわかってるから
わたし
じぃーんーっ
勇太
今日も来たんだ 笑
あなたは毎日のように俺の家に遊びに来てくれる
そしてついでに勉強を教えてあげる
それが日課になっていた
わたし
ねぇ、今度さ、一緒にどこか遊びに行かない?
勇太
どこかって?
わたし
んー、それはじんが決めて!
勇太
えぇ、まぁいいよ
わたし
やった!楽しみ〜
あなたが好きになる人なんてこの世にはいない
そう思ってた
だから俺のことも好きじゃない

でも俺はあえて聞いた
勇太
ねぇあなた
わたし
なーに?
勇太
あなたって好きになった人とかいるの?
わたし
え、いないよ、、私、男性恐怖症だし…1度も恋することなんて出来ない…
わたし
だから決めたの、いつか恋ができるように男性恐怖症を治したいって
勇太
そっか、頑張れ
あなたならできるよ
そんな前向きなあなたも大好きだよ

俺の恋よりも先にあなたを応援したい

絶対に悪い男がとりつかないように俺があなたを守る

そう誓った



そして高校。

今に至る

あなたは恋なんてしない、できない、恋する相手もいない、そう思ってたけど

今は彼氏持ち

あの泣き虫なあなたはいつでも前を向くようになって
少し落ち込むこともあるけれど、それでも頑張ろうとするあなたが今でも大好きだよ

彼氏がいようと、俺はあなたの味方で

あなたを泣かせたり傷つけたりするやつは絶対に許さない

いつだってそうしてきたから



俺とあなたが仲良くなった理由…それは…


あの時、男性恐怖症なあなたが勇気をだして俺を泣き止ませてくれた時、あなたが輝いて見えたから

守りたいって思えたから

プリ小説オーディオドラマ