第14話

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2025/04/15 10:20 更新
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う、海だー!!青い!
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感想が安直!!
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いやだって真っ青じゃん
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それはそう
真っ青。青、青、青。
まじで青い。海と空の境界線が見えないくらいには青い。
こんなに青い世界、初めて見た気がする。
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さーて、なにを弾こうかな〜〜
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せっかくだし、お前の好きな曲弾いてよ
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え、俺の好きな曲?
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ついでに歌って。僕分からんかもだから
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まぁ、ええけど……
そういや僕、相棒の歌の趣味を知らない気がする。
僕は音楽好きだけど、こいつは普通っぽいし。
でも、もしかしたら僕の知らない曲かも。楽しみだ!
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―――クリティカル
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え?今なんか言っ――
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歌うわ。ええけ?
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あ、う、うん
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「         」
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……え、今、なんて……
今、相棒の声が聞こえなかった。なんでだろう?
……もしかして、なにも言ってない!?
口は動いたように見えたんだけどなぁ……。



と、おもむろに相棒はギターに手を添える。

スッと短く息を吸うと、柔らかい表情で口を動かし始めた。
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「       
       
               」
……こいつなにやってるんだ。口パク?エアギター?
口を動かしているのに、手を動かしているのに、どうしてだかなにも聞こえない。
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「     
        
           」
あれ?おかしいな、
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ねぇお前歌ってる?
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歌っとるよ。……てか歌っとる途中に邪魔すんなや……
ちょっと呆れたように言われる。

でも、歌ってないじゃん、お前。
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……「           
             
                
     」
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……C
D
Bm、Em
あれ?聞こえる。ギターのコードは聞こえる。分かる。


……でも、どうして、お前の声は聞こえないん?





……あれ?


なにも、
なにも、
なにも、

なにも、なにもなにも……


なぁんにも、音が聞こえない。
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「          」
お前の声も。
目の前で打ち付けられる波の音も。
後ろで崩壊していくビルの轟音も。
どうしてだろう。




分かるのに、聞こえない。
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……大丈夫か、相棒
歌うのをやめてこちらを見る。

そんなお前の声も……分かる。分かるのに、聞こえない。

僕の頭は、相棒がなんて言って、どんな声なのか分かるのに。
聞こえない。どうして?
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(……あぁ、そうだ)
僕は知っている。
みんな知っている。

このおかしな感覚は……
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夢、だ
心配気に細められていた相棒の目が、ぱっちりと開く。


……そして、彼の頰が、ゆるりと崩れて―――
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おはよう。ねぼすけな親友

















―――朝やで。














じゃーん。

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