真っ青。青、青、青。
まじで青い。海と空の境界線が見えないくらいには青い。
こんなに青い世界、初めて見た気がする。
そういや僕、相棒の歌の趣味を知らない気がする。
僕は音楽好きだけど、こいつは普通っぽいし。
でも、もしかしたら僕の知らない曲かも。楽しみだ!
今、相棒の声が聞こえなかった。なんでだろう?
……もしかして、なにも言ってない!?
口は動いたように見えたんだけどなぁ……。
と、おもむろに相棒はギターに手を添える。
スッと短く息を吸うと、柔らかい表情で口を動かし始めた。
……こいつなにやってるんだ。口パク?エアギター?
口を動かしているのに、手を動かしているのに、どうしてだかなにも聞こえない。
あれ?おかしいな、
ちょっと呆れたように言われる。
でも、歌ってないじゃん、お前。
あれ?聞こえる。ギターのコードは聞こえる。分かる。
……でも、どうして、お前の声は聞こえないん?
……あれ?
なにも、
なにも、
なにも、
なにも、なにもなにも……
なぁんにも、音が聞こえない。
お前の声も。
目の前で打ち付けられる波の音も。
後ろで崩壊していくビルの轟音も。
どうしてだろう。
分かるのに、聞こえない。
歌うのをやめてこちらを見る。
そんなお前の声も……分かる。分かるのに、聞こえない。
僕の頭は、相棒がなんて言って、どんな声なのか分かるのに。
聞こえない。どうして?
僕は知っている。
みんな知っている。
このおかしな感覚は……
心配気に細められていた相棒の目が、ぱっちりと開く。
……そして、彼の頰が、ゆるりと崩れて―――
―――朝やで。
じゃーん。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。