第60話

Capture41 出自
318
2026/03/07 06:55 更新
気がついたら、隣国にいた。
本当に何を言っているのか分からないだろうが、隣国にいたのだ。何故か。
みぞれは自分の状況を改めて分析する。
黒魔法集団ソティル。その戦いの中で、自分はワープ魔法を使われ、どこかに飛ばされた。
そしてその先にあったのが、隣国の王城だ。
みぞれ
……アラレ
アラレ
きゅう
みぞれ
…よかった。無事なのだ
だとしたら、先に飛ばされてしまっていたラテ先輩が心配だ。
ラテ先輩も同じようにここに飛ばされているとしたら。
街の看板を見る限りだと、ここは東の方の隣国の
『ベルベット』
幸い、母国語は同じ。
なら話は通じるだろうか。
焦りに焦っているみぞれをよそに、人の波は押しては返しを繰り返す。
みぞれ
……ひぃ
そして、気がついたら何人もの兵隊がみぞれの前に現れ
膝をつき、『国王様がお呼びです』と訳の分からないことを告げた。
みぞれ
は?のだ???
通された部屋は、明らかに貴人の通されるような、上品な調度品ばかりの部屋で。
そして、目の前の、この国の国王だと言う男から告げられた言葉は、信じられないものだった。
隣国 国王
だから、僕は君のお父さんなんだよ
信じるか。そんなこと
しかし、自分の母親とは似ても似つかない青い瞳は、この父親を名乗る男とまったく同じ色をしていた。
みぞれは、自分の母がこの国の生まれであることは知っていた。
だから、その話を聞いたときも、それほど驚きはしなかった。

だが続いて語られた内容には、さすがに言葉を失った。
母は、彼がまだ皇太子だった頃の恋人だったというのだ。
しかし母の家は子爵家。王家と結ばれるには、あまりにも身分が低かった。

そのため、他の貴族たちによって家は意図的に追い詰められ、やがて没落してしまった。
行き場を失った母は、隣国へと流されることになったという。

そしてそのとき、母のお腹の中にはすでに子どもがいた。
――その子どもこそが、みぞれだった。
みぞれ
……なんで
なんで母は言ってくれなかったのか。というか、そもそもなんでこのタイミングでこんなことを伝えられたのか。なんでワープして連れてこられたのか。
なにも分からない。何も身に覚えがない。
隣国 国王
……探してたんだよ。
その、ドラゴンを使って。
アラレ
くぅ?
みぞれ
あ、アラレを……?
隣国 国王
この国の王家の血を継ぐものは、無条件にドラゴンを服従させられるんだ
Latte
……痛っ…く、は…ない?
Latte
……どこに飛ばされて……んあ?
ラテは、自分に押し潰されているあの憎たらしい先輩を見下ろす。
Latte
……クッションありがとざいまーす
ウパパロン
……あのねぇ

プリ小説オーディオドラマ