ありえない、ありえない、ありえない!!!
人間如きが、俺っちに勝てるはずないんだよ!
俺っちは六道が一人、天界道だぞ???
なんだ、これ……。なんで鬼狩りたちが、最後の俺っちの分身を斬ってんだよ。
人間如きに、見下ろされてる!!!
この俺っちが!!!
なんで、こんな悔しい思いをまたしなきゃいけないんだよ!!!
……………は………………?
また?いや、そんなはずはない!!
俺っちは見下ろされたのは、初めてなはず……。
人間の時の、記憶……?
嗚呼、そうだった。
父上と母上は、ありもしない罪で御番所へと連れて行かれたんだ……。
向かい老人とは、父上と母上は仲が良かった。
そんなこと、あるはずなかった。
俺の声は誰にも届かず、父上と母上は斬首された。
父上と母上の首を抱え、俺っちはただ泣き叫んだ。
嘘だ、こんなの嘘に決まってる。
優しい父上とは母上が盗みをするはずない。
お金は困らない程度にちゃんとあった。
それが何故、こんなことに??
ふと、聞こえてしまった野次馬からの声。
_____オマエラカ_____
あんな、あんな、性悪共のせいで!!!!
あんな、ろくに話も聞かない腐った御奉行のせいで!!!父上と母上は!!!!
おのれ、おのれ、おのれ!!!!!
人をごみのように!!!虫けらのように見下しやがって!!!!今度は俺が!!!!お前らを虫けらみたいに!!!!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!