お風呂から上がり、着替えにちらりと目をやると、
キヨ猫パーカーとジャージのズボンが置かれていた。
パーカーはサイズがぴったりだったが、
ジャージは丈がかなり残ってしまうので、
一生懸命折ることにした。
ドライヤーを終え、
濡れた衣服を手にリビングへ戻った。
通知が来てからというもの、
手段探しでいっぱいいっぱいだった事もあり、
食事を取れていなかった。
台所に置かれていたレジ袋から、
納豆巻きと綾鷹を取り出せば、
机の上に並べてくれた。
優しさが沁み、
涙が浮かびそうになるのを必死に抑えた。
そう言うと彼は浴室へと姿を消した。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!