※今回のお話では、暴力を振るわれてしまう場面や血が出てしまう場面が出てきます。ご理解のある方のみ読んで頂けると嬉しいです。
廊下を1人で歩き教室に戻る。
教室に入ればほとんどの人が俺を見ている。
きっと皆は俺を変な奴だと思っているだろう。
俺は誰とも目を合わせないで自分の席に座った。
さ)みなと?さっきは大丈夫だった?
み)ぇ、大丈夫やで。ありがと。
さ)お腹痛かったの?
み)、うん。
さ)そっか。あまり無理しないでね?何かあったら僕に言って?何でもするから。
み)、。ありがと、さっちゃん。
さつきは俺を心配して声を掛けてくれたらしい。だけど嬉しいとは思えなかった。むしろ周りの奴ら、あの二人と同じように本当は心の中で俺をバカにしているのではないか、そう思った。
周りを見るとまだ俺を見てコソコソと話している奴らがいる。そんなに俺が可笑しかっのか、?今すぐにでも家に帰りたい。そう思っているとあの二人が来た。
🅰)なぁみなと、お前さトイレでさぼってたの?wその手見られたくなかったとか?w
み)は、?
🅱)結局、お前戻って来なかったしな。
み)ちが…
2人は久々に俺に話し掛けてくれた。でも面白くも何ともない。ただバカにされてるだけ。はぁ、、さっき引っ込んだばっかなのにまた涙が出て来そう。何で俺ってこんなに弱いんだろ、。
そう思って2人の会話を聞いてた時だった。
こ)やめたら?そーゆの。本人困ってるけど。
🅱)は?お前こそさぼってんだろ?
こ)別にサボりたくてサボってる訳じゃないんだけど?笑、あんたらみたいなゴミが居るからじゃないの?それに、僕君たちよりも勉強してるし成績良いからw
🅰)あ?
み)ぇ、ちょ、喧嘩せんとって!
3人は俺の目の前で大胆に喧嘩をし始めた。俺は必死に止めてるのに周りは観てるだけ。涼雅もさっちゃんも今は教室に居ない。誰も助けてくれない。
小太郎は俺の目の前で2人に殴られている。なのに小太郎はやり返さず、抵抗もせず2人を煽って笑ってる。
いい加減にしてほしい。
なんで、なんで、誰も止めるのを手伝ってくれないんだ、。あぁ、ダメだ、。また目が熱くなる。手もまた震えてる。
み)やめて、。お願いだからっ、。
あぁ、ホント情けない。多勢観てる中で涙は止まらないし、喧嘩すら止められない。
教室のドアが勢いよく開く音。
同時に怒鳴りながら俺らに近ずいてくる人。
ふと見えた周りは笑っていたり驚いていたりと、
喧嘩は入って来た市川によって止められた。それに安心した三波斗は床に座り込み茫然としている。
り)…と!…なと!みなと!
み)、。っ、りょぉが、おれっ、。
り)みなと、大丈夫か?
涼雅は三波斗の肩を揺すり声を掛ける。
三波斗は涙を流しながら震えた手で涼雅の制服の裾を引っ張り 怖かった、。何でおらんかったの、。 と聞く。涼雅はその問いに 友達といた。 とだけ答えた。
三波斗はその答えを聞き俯く。
すると誰かの必死に呼び掛ける声。
け)こたろ!こたろ聞こえるか!返事しろ!
け)こたろ!しっかりしろっ!
み)あぁっ、。ぅそ、。まって、、やだっ、。
三波斗の目に見えたのは血を流して倒れている小太郎。
け)こいつは俺が運ぶからお前らは早く他の先生呼んでこい!
そして、小太郎を抱えて怒り狂った表情をして、急いで教室を出て行く先生が見えた。
三波斗は先生のあとを追いかけようとするが足に力が入らない。震える手を見つめる。
み)やだ、っ。、まって、、どうしたら、っ、、
り)みなと。みなと!大丈夫だから!今は俺だけを見ろ!
そう言って泣きじゃくる三波斗の顔を無理やり自分に向かせ目線を合わせる涼雅。
み)、っ、。りょっがぁっ、、おれっ、おれっ、どしたら、、
り)みなと、みなと大丈夫だから。大丈夫。泣かないで。一旦落ち着こ。ね?
涼雅は三波斗の目だけをしっかり見て名前を呼ぶ。
そして三波斗が安心するように抱きしめ頭を優しく撫で続ける。
それから少しして騒ぎの様子を聞いた顧問の六花先生が掛け付き、泣いている三波斗は保健室に連れて行かれ早退する事になった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!