北斗さんについていくがまま着いたのは明らかに廃業してるであろう病院(?)だった。
中に入ると一応待合室だったと思われるところにアオが座っていた。
アオが少し顔を上げる。
すぐに立ち上がって俺のことを抱きしめてくれた。
アオでいっぱいになる幸せを感じながらゆっくりと俺もアオの背中に手を回した。
俺たちは少し離れた。
康二のことか。
康二にも悪いことをした。
無事だったんならまだ良かった。
俺たち3人は長椅子に座って、手術が終わるのを待ち続けた。
朝方近くになってようやく手術室だったらしい場所から医者っぽい人が出てきた。
全員で立ち上がる。
それだけ言うとその医者は疲れたように歩いて行った。
奥の部屋に歩いていくと、ベッドの上で寝ている深澤さんがいた。
俺は…
確かに俺には学校もあるしこれからの生活もある。
だけど、ここまで足を踏み込んでしまった以上、これから穏やかに過ごしていけるとも思えなかった。
きっと今俺は人生の選択を迫られている。
でも答えは自ずと決まっていた。
“ついていく”という覚悟と同時にもう一つ、覚悟しなきゃいけないことがあった。
それはアオを俺の心から捨てること。
アオはもうアオではなく渡辺翔太に戻る。
アオへの執着心を自分で断ち切らなければ俺はきっとこの先生きていけない。
ありがとう、アオ。
俺に出会ってくれて、名前受け取ってくれて。
俺はずっとアオのことが好きだよ。
〜1年後〜
俺はテーブルの拭きあげに取り掛かった。
俺たちはようやく少しずつ表に出られるようになり、生計をたてるためにひっそりと地下バーを経営し始めていた。
オーナーは翔太で、俺はバイトという設定。
地下バーなら基本暗いし、顔もマスクをしていれば特に見られることもなかった。
店の裏口が開いて、買い物袋を持ったふっかさんと照くんが入ってきた。
ふっかさんは最近傷から復活してこの店で働き始めた。
未だ組長から追われてはいるようだが、組から抜けてきた照くんが護衛みたいに張り付いているからおそらく大丈夫そうだ。
これが今の俺の日常。
安心がずっと続いてるわけではないが、俺は十分幸せだと感じていた。
北斗さんはそのパソコンスキルを買われ、非常勤で仕事をしているらしく
涼太さんはチラシを配るのはやめ、独立して自分の店をもつ準備をしていて、やっと前を向き始めたらしいと風の噂で聞いた。
これが正解だったのかは誰にもわからない。
だけどこれから正解にしていけるかもしれない。
なんとなくそんな展望が俺たちにはある気がした。
カウンターに入って、ボトル管理を始める。
横に翔太が立って、お酒の準備をしている。
そんな翔太に
今日もまた捨てきれていない愛を伝える。
fin
忘れた頃にやってくるあかねです。
やっと完結いたしました。
きっともうこの話の内容は記憶の彼方に飛んでいっていると思われますが、ようやく完結したのでまた全編通して読んでみてください🙇♂️
もしかしたら最初の頃とはこのお話の印象が変わっているやもしれませぬ。
このお話からの教訓はただ一つ!
“お酒と恋には溺れるな”
ってやつですっ!!
まぁお酒は今回は関係ないんですけど、歪んだ愛の美しい恐ろしさをめめなべで描ければいいなぁーって思って書いてみた次第でございます。
ちなみになんでこんなに急に更新が鬼亀になったのかと言うと、とにかく環境の変化とやらで忙しくて忙しくて…
きっと3月頃には元に戻るのではないかと期待してる最中です…!
と言ってももう連載してる作品なくなっちゃったんですよね…(なんということでしょう…!)
てことでまたこっそりアンケート放り込んでおきまthね💙
アンケート
今後の活動につきまして
戻ってこられたらまた新作読みたい…!
76%
ゆっくり休んでください😊
10%
今まで連載してきた作品の続きを作ってほしい!
14%
投票数: 253票











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。