司side
こんなことがあるのか。
一度消えた俺のセカイが、新たに生成された。
新しい、俺の想い。
それはもう聞かれずともわかっている。
類への愛だ。
こてん、と首を傾げる類の頭を優しく撫でる。
今作られたセカイ、というのは、今の俺の想いが反映されているということか。
…今、このセカイに行けば、類ともっと愛し合えるのか?
類と距離を近づけて、スマホの画面を自分たちに向ける。
そして俺は、「untitle」を再生した。
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俺の新しいセカイは、一見、元のセカイと変わりはなかった。
ステージがあり、観覧車があり、メリーゴーランドが回っている。
もしここで、あのセカイが復活した、というのなら、前のミクたちも復活している、ということになる。
万が一にもそんなことがあれば、そこでミクたちを殺すつもりではある。
ガサッ…
類に何かあってはいけないので、類を自分の後ろに立たせる。
あぁ、なるほど。そうか。
ここは…俺の新しい想いでできたセカイ。故に、ミクたちもその俺の想いによって変わったのだ。
すぐにミクとKAITOがステージの裏側に回った。
二人は裏方として俺をサポートしてくれるらしい。
こてん、と首を傾げている類の手をそっと掴む。
そうだ。俺と類以外誰も入れないセカイに入ってしまえば、もう外に出る必要はない。
俺の想いでなんとでもできるのだから。
そう言うと、類の顔がぱっと輝いた。
ミクの感謝の言葉を告げ、類の方に向き直す。
輝いていた類の顔が、さらに明るくなる。
檻の中で、二人だけのショーを
終幕












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。