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第17話

赤い文字
36
2026/05/07 09:13 更新
次の日。

教室に入ると――

自分の机の上に、

“血のような赤い文字”で書かれていた。
「次は、逃げられない」
(なまえ)
あなた
(…っ)
足が止まる。

教室の空気が、一瞬で冷えた気がした。

でも。

周りは、静か。

静かすぎる。
クラスメイト達は、

何事もないみたいに座っている。

笑ってる人もいる。

話してる人もいる。

なのに――

誰も、“それ”に触れない。
(なまえ)
あなた
(…なんで)
見えてないわけがない。

こんなに目立つのに。
(なまえ)
あなた
…誰がやったの
小さく呟く。

返事はない。 

でも。

前の席の人が、少しだけ笑った。
(なまえ)
あなた
(…気持ち悪い)
その時。

あっきぃが近づいてくる。

机を見る。

そして――
あっきぃ
あっきぃ
うわ…怖
軽い声。

でも、その目は真剣だった。
ぷりっつも後ろから覗き込む。
ぷりっつ
ぷりっつ
派手やなぁ
ため息混じりに言う。
ぷりっつ
ぷりっつ
完全に脅しやん
(なまえ)
あなた
(…分かってる)
後ろのドアが開く。

そらびびが入ってきた。

視線が机に向く。

その瞬間――
そらびび
そらびび
…チッ
明らかに空気が変わる。

怒ってる。
そらびびは机に近づき、

赤い文字を指で軽くなぞる。

そして。
そらびび
そらびび
これ、普通のじゃない
(なまえ)
あなた
え?
そらびび
そらびび
触るな
低い声。

真剣そのもの。
その時。

ガラッ

教室のドアが開いた。

先生だった。
先生
先生
おはよう
いつも通りの笑顔。

でも。

先生の視線は、

真っ直ぐ机に向いた。
一瞬だけ。

本当に一瞬だけ――

先生が、笑った気がした。
(なまえ)
あなた
(…今)
背筋が冷える。
先生
先生
どうしたの?
わざとらしいくらい優しい声。
(なまえ)
あなた
これ…
机を指さす。

先生は近づいて、

赤い文字を見る。

そして。
先生
先生
…イタズラかな?
軽く笑った。
(なまえ)
あなた
(…絶対違う)
そらびび
そらびび
触んな
鋭い声。 

教室の空気が止まる。
先生は、少しだけ目を細めた。
先生
先生
随分警戒してるんだね
そらびび
そらびび
…あんたがね
(なまえ)
あなた
(…っ)
教室が静まり返る。
先生は数秒黙ってから、

また笑った。
先生
先生
面白いこと言うなぁ

でも。

目は笑ってなかった。
ぷりっつが、小さく机を叩く。
ぷりっつ
ぷりっつ
なぁ
低い声。
ぷりっつ
ぷりっつ
これ、今日中に動くで
(なまえ)
あなた
動く?
ぷりっつ
ぷりっつ
゛予告゛やからなぁ
その言葉で、

心臓が強く鳴った。
チャイムが鳴る。

でも。

誰も動かない。
その時。

机の赤い文字が――

ゆっくりと、“滲んだ”。
(なまえ)
あなた
(…え)
まるで、生きてるみたいに。

文字が、動く
そして。

新しい文字が浮かび上がる。
「放課後、視聴覚室」
教室の全員が、

同時にこちらを向いた。

そして――

笑った。

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