次の日。
教室に入ると――
自分の机の上に、
“血のような赤い文字”で書かれていた。
「次は、逃げられない」
足が止まる。
教室の空気が、一瞬で冷えた気がした。
でも。
周りは、静か。
静かすぎる。
クラスメイト達は、
何事もないみたいに座っている。
笑ってる人もいる。
話してる人もいる。
なのに――
誰も、“それ”に触れない。
見えてないわけがない。
こんなに目立つのに。
小さく呟く。
返事はない。
でも。
前の席の人が、少しだけ笑った。
その時。
あっきぃが近づいてくる。
机を見る。
そして――
軽い声。
でも、その目は真剣だった。
ぷりっつも後ろから覗き込む。
ため息混じりに言う。
後ろのドアが開く。
そらびびが入ってきた。
視線が机に向く。
その瞬間――
明らかに空気が変わる。
怒ってる。
そらびびは机に近づき、
赤い文字を指で軽くなぞる。
そして。
低い声。
真剣そのもの。
その時。
ガラッ
教室のドアが開いた。
先生だった。
いつも通りの笑顔。
でも。
先生の視線は、
真っ直ぐ机に向いた。
一瞬だけ。
本当に一瞬だけ――
先生が、笑った気がした。
背筋が冷える。
わざとらしいくらい優しい声。
机を指さす。
先生は近づいて、
赤い文字を見る。
そして。
軽く笑った。
鋭い声。
教室の空気が止まる。
先生は、少しだけ目を細めた。
教室が静まり返る。
先生は数秒黙ってから、
また笑った。
でも。
目は笑ってなかった。
ぷりっつが、小さく机を叩く。
低い声。
その言葉で、
心臓が強く鳴った。
チャイムが鳴る。
でも。
誰も動かない。
その時。
机の赤い文字が――
ゆっくりと、“滲んだ”。
まるで、生きてるみたいに。
文字が、動く
そして。
新しい文字が浮かび上がる。
「放課後、視聴覚室」
教室の全員が、
同時にこちらを向いた。
そして――
笑った。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!