不破くんは人懐っこい笑みを浮かべて手を差し出してきた。……差し出された手がこんなに恐ろしかったことはない。
ただ彼の場合は拒むのもまた危険な選択肢。……一度彼に騙されたふりでもするべきかもしれない。
ゲームやってても令嬢の情報なんて殆どないんだからあんまり聞かないで……!!
ヒロインちゃんはわかるのに…王国の外れの方の町の平民出身で、優秀な魔法士だからと特待生でこの学校に招待されるんだよね。
一方のこの令嬢はいいとこの出身なことしかほぼわからない。出身も細かいところまでは語られていない。
作り笑いでなんとか済まそう…お互いに作り笑いなんだろうな。
……言われてみれば、攻略対象者たちは中等部からこの魔法学院にいるんだよね。
基本的にこの国は魔法学院の予科ってところがあって…ここが前世でいう小学校的なポジションになる。6歳から12歳までの子供が魔法や剣術を習う場所。
たしか加賀美くんが説明してたときは…最後の1年は半年くらいで、残りの半年は中等部のための長期休暇になってるはず。
魔法学院は全寮制だから、中等部前の長期休暇で実家に戻るのが定石なんだよね。
……知ってるよ。仲良しだもんね、4人とも。
ヒロインが逆ハーレムルートに到達する道中で、4人が幼馴染であることが明かされた。
甲斐田くんの仲良し発言に剣持くんが「そういうのじゃないです」ってあしらったりするのも、彼らなりの形なんだって知った。
……だからこそ、この4人に同時に嫌われる令嬢がわからない。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。