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第6話

〈5〉本音
166
2024/06/21 11:06
産屋敷耀哉
産屋敷耀哉
久しぶりだね、あなたの下の名前
あなたの下の名前side
ついに来てしまいました
そりゃきよちゃんに泣きながら「行ってください」なんて言われたら、行くしかないよね
(なまえ)
あなた
長らく柱合会議に出席できなかったこと、心よりお詫び申し上げます
私はお館様に頭を下げた
産屋敷耀哉
産屋敷耀哉
わかっているのならどうして、今日まで来なかったのかな
お館様は私にそう尋ねだ
怒ってる
明らかに怒ってる
産屋敷耀哉
産屋敷耀哉
怒っている訳ではないよ
産屋敷耀哉
産屋敷耀哉
私は知りたいんだ
産屋敷耀哉
産屋敷耀哉
あなたの下の名前の本音を
私の本音…
私はお館様と合うはずのない目を合わせた
(なまえ)
あなた
私は柱になっていい人間ではありません
この言葉を言えば、必ず返ってくる
「君には才能がある」
(なまえ)
あなた
才能の問題ではなく、人間性の問題だと私は考えています
産屋敷耀哉
産屋敷耀哉
どういうことかな
お館様が発する言葉に、重みを感じる
(なまえ)
あなた
私には恵まれすぎと言っていいほど剣士の才能があると、言われています
(なまえ)
あなた
ですが、私以外の柱たちは血を吐くほどの努力をして柱になっていることでしょう
(なまえ)
あなた
そんな素晴らしい剣士達の中に、私のような者がいてはいけないのです
その場しのぎだったかもしれない
私は目を瞑った
そのときに感じる“風の音”
急かすように聞こえる“鴉の声”
そして再び、目を開ける
(なまえ)
あなた
私は柱合会議に参加できるほど、強くありません
(なまえ)
あなた
このような中途半端な者が、柱合会議という場に参列していること、お詫び申し上げます
お館様は黙っていた
何も言わず、ただ真っ直ぐと私を見つめていた
その沈黙はまるで、
まるで



































私を監視しているようだった
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
今日、お館様のところに?
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
ええ、朝出かけて行きました
しのぶside
あなたの下の名前が柱合会議にでない理由はわからない
その場しのぎの言い訳はもうやめよう
そう、自分の心に誓ったのはいつだろうか
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
あなたの下の名前ちゃん、明るい子だってよく隠の人から聞くわ
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
何かあるのかしらね…
甘露寺さんが示す“何か”とは
私も知らないような闇なのかもしれない
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
思い出したわ!確か、一度だけ任務で一緒になったことが…
(なまえ)
あなた
え、か、んろじさん
甘露寺side
途切れ途切れに私の名前を呼んでいた
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
あなたの下の名前ちゃん!久しぶりねぇ
私が明るく振る舞っても
(なまえ)
あなた
ペコ
小さく頭を下げるだけだった
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
いや〜疲れたね!!
任務が終わったあとも
(なまえ)
あなた
お疲れ様でした
(なまえ)
あなた
あの、お怪我大丈夫ですか?
子供を庇いながらの任務だったから少し手間どってしまって、怪我をしていた
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
大丈夫!あ、良かったら一緒に蝶屋敷まで行かない?
(なまえ)
あなた
…遠慮しておきます
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
そう?
あなたの下の名前ちゃんの表情
今でも思い出す、儚い笑顔













ねぇ、
あの笑顔の裏にはなにがあるの?
































あなたの下の名前ちゃんの本音は?
𝐍𝐞𝐱𝐭…🌸⚔️

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