あなた:おはようございます!
北:おん,あなたおはよう
赤木:おはよ!
- 昨日の帰り道,
侑くんには" 一応警戒しろ "と言われた
湊くんが言ったことは
本当なのかな____?
あなた:ッと………
- あたしはドリンクを作り終え籠を持ち上げた
すると背後から伸びてきた手に
その籠を取られてしまった
あなた:え……?
湊:あ,やっぱり案外重いんですね
あなた:み,湊くん……!?
湊:あ,名前覚えてくれたんですか?
- 湊くんは籠を持ったまま
" おはようございます "と挨拶した
あなた:お,おはよう……って,籠持つよ?
湊:え?良いです俺に持たせてください
あなた:え……!?
- 籠を持とうと手を伸ばすも
湊くんは籠を渡してくれなかった
あなた:な,何で……!
湊:何でって……俺,言いましたよね?
あなた:え……?
湊:俺,あなた先輩に会う為に此処に来たんですよ?
- 少しチャラそうな湊くんが薄ら微笑んだ
湊:俺1年なんで,こき使って下さいよ
あなた:で,でも……!
侑:おい
- 湊くんと歩いていると
前から侑くんがやってきた
侑:何しとるん
湊:何って……先輩の手伝いですけど
侑:なら1年は先にネット行きや
- 侑くんがドリンクの籠に手を掛けた
湊:俺,言いましたよね?
侑:は?
湊:あなた先輩を奪ってみせるって
侑:………!
湊:恋愛に先輩も後輩も関係無いんで
- 湊くんは侑くんの手を振り払い
そのまま籠を体育館に持って行ってしまった
侑:………
あなた:………侑くん………?
侑:………なや……
あなた:え………?
- 侑くんが小さな声で何かを言った
『 あなたも無防備にフラフラしてんなや 』
あなた:………え………?
侑:………
- 侑くんはそう言って体育館の中に入ってしまった
あたしはそんな侑くんの背中を
見つめる事しか出来なかった____
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!