突然間を取って、そんなことを言い出した。
「言いたいこと」なら見当がつく。
何で急に避けたんだって。
「謝りたいこと」は皆目見当がつかなかった。
何か気づかないうちにされていたのか?
妄想はどんどん膨らむ。
かろうじて絞り出した言葉が、これだった。
俺の太陽であり、ヒーローであり、神様である人は、苦しそうに、悲しそうにそう尋ねてきた。
優しいそうまが、無視されてることに気負わないはずがない。
絶対に自分のせい、で話を進める。
そんなことわかっていたのに。
俺は神様に嫉妬していた。
小さい頃からずっと。
そうまと何かすると、褒められるのは大体そうま。
俺よりも才能に溢れてたから、努力していたから。
そうまが褒められて喜ぶ顔を見ると、自分の中に相反する感情が混ざって渦をまくような感覚がした。
「何でそうまばっかり。」
「俺だって、頑張ったのに。」
醜い羨望と、
「さすがは俺の神様だ。」
そうまの喜ぶ顔に、内心自分も喜んで。
でも、素直には喜べない。
この感情がそうまに理解できるだろうか。
友達だから喜んでいれば、同じように嬉しい。
でも、友達だからアイツだけ褒められてると自分も…って羨ましくてしょうがない。
そうまは、俺を「優しい」と称す。
だから、そんなそうまだからこそ知ってほしくなかった。
それに、優しいそうまだから、きっと知れば何かしらの配慮が入るだろう。
懸命に悩んで、考えて。
他でもない「友達」のために。
だから言えない。
言いたくない。
同情は悲しいだけだ。
それに、それでそうまが苦しむのはもっと悲しい。
聞けなかった。
アイツの理由。
話に流されて、問う勇気がなかった。
きっと明日のアイツは、いつも通りの笑顔でクラスメイトと話してるんだろう。
あんな顔、見せないんだろう。
アイツは隠すのがうまいから。
心配かけないようにって動くのがうまいから。
明日からは、少しそうまを観察しよう、そう決めた。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!