第4話

ひた隠す、葛藤の本音
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2023/04/17 23:06 更新
そうま
そうま
なんか、しゆんと帰るの久しぶりだなー。
しゆん
しゆん
あぁ、そうだな。
そうま
そうま
いつぶりだ?
しゆん
しゆん
えっと…、中学以来…だと思う。
そうま
そうま
……なぁしゆん、俺お前に謝らないといけないことがあって……。
突然間を取って、そんなことを言い出した。

「言いたいこと」なら見当がつく。
何で急に避けたんだって。

「謝りたいこと」は皆目見当がつかなかった。
何か気づかないうちにされていたのか?
妄想はどんどん膨らむ。
しゆん
しゆん
…なに?
かろうじて絞り出した言葉が、これだった。
そうま
そうま
……俺、無自覚のうちにしゆんのこと傷つけてたんだよな。
中学あたりかな、しゆん何に誘っても断るようになって…。
始めのうちは、忙しいだけだと思ってたんだけど、回数重ねてくうちにさすがに…って。
ごめん、でもあれから何年も考えたけどわからなかった。
俺、しゆんに何した?
俺の太陽であり、ヒーローであり、神様であるそうまは、苦しそうに、悲しそうにそう尋ねてきた。
優しいそうまが、無視されてることに気負わないはずがない。
絶対に自分のせい、で話を進める。
そんなことわかっていたのに。
しゆん
しゆん
別に、ほんとに用があったから断っただけ。
そうまは何も悪くない。
俺は神様に嫉妬していた。
小さい頃からずっと。
そうまと何かすると、褒められるのは大体そうま。
俺よりも才能に溢れてたから、努力していたから。

そうまが褒められて喜ぶ顔を見ると、自分の中に相反する感情が混ざって渦をまくような感覚がした。
「何でそうまばっかり。」

「俺だって、頑張ったのに。」

醜い羨望と、
「さすがは俺の神様だ。」

そうまの喜ぶ顔に、内心自分も喜んで。


でも、素直には喜べない。
この感情がそうまに理解できるだろうか。
友達だから喜んでいれば、同じように嬉しい。
でも、友達だからアイツだけ褒められてると自分も…って羨ましくてしょうがない。

そうまは、俺を「優しい」と称す。
だから、そんなそうまだからこそ知ってほしくなかった。
それに、優しいそうまだから、きっと知れば何かしらの配慮が入るだろう。
懸命に悩んで、考えて。
他でもない「友達俺ごとき」のために。
だから言えない。
言いたくない。
同情は悲しいだけだ。
それに、それでそうまが苦しむのはもっと悲しい。
そうま
そうま
…そうか。
ん、そろそろ着くな。
しゆん、風邪ひきやすいんだから、ゆっくり温まってから寝ろよ。
しゆん
しゆん
あぁ、おやすみ。
そうま
そうま
ん、おやすみ。
また明日。
聞けなかった。
アイツの理由。
話に流されて、問う勇気がなかった。

きっと明日のアイツは、いつも通りの笑顔でクラスメイトと話してるんだろう。
あんな顔、見せないんだろう。

アイツは隠すのがうまいから。
心配かけないようにって動くのがうまいから。


明日からは、少しそうまを観察しよう、そう決めた。

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