第26話

何してんの?バカなの?
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2023/11/24 12:44






 由花「え?」


 真綾「……………」




 由花「何してんの?バカなの?」




 真綾「うぐっ……」


 由花「もうそんなことしてないで付き合っちゃえばいいのに」


 真綾「…………」






 月曜の昼休み、真綾は人気が少ない女バレ前の部室で一昨日のことを由花に話していた






 由花「はぁー………何で自分から遠ざけるようなことするかな……」


 真綾「いや、遠ざけては……」


 由花「結局待っちゃってんじゃん」


 真綾「そうだけど…」


 由花「修学旅行ね……アンタも………アンタはそこで決めるつもりだったんだ」


 真綾「そうだよ……」


 由花「なるほど……」チラっ


 真綾「//////」ボーー


 由花「それと…他に何かあった?」


 真綾「え?」


 由花「何か今日あった時からずっとボーーっとしてるから。顔赤くしながら」


 真綾「……」







 ギュっ!!


 『…………』


 真綾『……』








 由花「え……そんなとこまでしたの……?」


 真綾「そ、そう……テツ君の方から……」カアァァァ


 由花「……!!?………あいつの方から?…………何でそれで付き合わないのよ……」


 真綾「だっ…だって…」


 由花「まぁ…………流れ自体の筋は通ってると思うからアンタが後悔しないんだったらいいんじゃないの?」


 真綾「………後悔はしないよ……絶対……」


















 健太「お前バカだろ」


 「はっ…!?何だよそれっ…!」


 
 俺は昼休みに外の人気が少ない野球部のグラウンド隣の隅の長椅子に座ってケンに一昨日のことを話していた



 健太「んなことしてないでもう言っちゃえばいいのに」


 「……だ、だから、真綾が俺の思いを汲んでくれて……


 健太「我慢できるの?」


 「え?」


 健太「後4,5ヶ月ぐらいでしょ?で、お前は修学旅行で告白すると決めてる……元宮はその期間のどこかでしてくると思ってる………つまり、お前はその間我慢できるの?」


 「あ、あぁ……大丈夫…








 真綾『今は、半分だね』








  ……だよ///」


 健太「ほんとかよ……つーか、何で修学旅行で告白しようと思ったの?」


 「それは教えん」


 健太「まぁ……お前って見た目の割にアグレッシブだもんな。何かの洋画を見て海外での告白に憧れた?」


 ピクっ


 「だ…だから秘密」


 健太「……………」(図星か?)


 「ともかく、真綾に待ってもらうことは出来たよ」


 健太「そうだな……で、どんだけ豪勢な告白をするつもり何だ?」


 「え?」


 健太「わざわざ5ヶ月も待たせんだろ?『好きです!付き合ってください!』ってだけな訳は流石にないよな?」


 「え………あーー……そうだよ」


 健太「は?まさか、そんな感じでいこうとしてたの?」


 「……………」


 健太「それぐらい待たせんだったらそれなりのサプライズを用意した方がいいんじゃないの?」


 「………………い、いや……俺がされて1番嬉しいことをしようと思ってたんだよな……」


 健太「…………まぁ、分からなくはない……」


 「だろ?思いを伝えてくれるだけで俺はもう何もいらないから……さ」


 健太「…………だとしても5ヶ月も待たせて何もなしってのは……」





 「俺がプレゼントだから」





 健太「」


 「嘘……忘れて……」


 健太「テツ……お前そんな冗談言うようになったのか……」


 「……………」


 健太「でも…まぁ、俺が言えることじゃないから後はお前がいいと思うように行動してみれば?」


 「あぁ……そうする…」


 健太「何度も言うけど、一応4ヶ月間あるんだもんな」


 「そうだよ」


 健太「じゃあ、何かありゃあまた相談してこい」


 「おう。サンキュー」


 健太「じゃあ、そろそろ戻るか」スッ




 そう言ってケンは立ち上がった




 「…………お前の方はどうなんだ?」


 健太「ん?」










 「水瀬との仲はどうなんだよ」
















 由花「え?」


 真綾「調月君とは今、どんな感じなの?」


 
 真綾の相談(と言うより、付き合ってないのにほぼノロケ話に近い感じだったが…)が終わりクラスへ戻ろうとした時に真綾からこの言葉がきた


 由花「……………悪くもなく良すぎるわけでもなく……不自由ない関係」


 真綾「ユイは調月君にいつ想いを伝えようと考えてるの?」


 由花「……………」


 真綾「ユイ?」


 由花「」スッ



 ムギュウ



 真綾「ふぇっ!?」



 由花は真綾の頬をつまんだ



 由花「今は自分のことに集中しなさいよね」プニプニ


 真綾「ひょっ!…や、やえふぇほ!!」


 由花(やっぱ柔らけぇな……)「ごめんごめん」スッ


 真綾「………全く………で、話の続きだけど…


 由花「だから、いいって」


 真綾「聞いてよ。ユイはいつ告白しようと思ってるの?」


 由花「…………決めてない」


 真綾「場所とかも?」


 由花「特には」


 真綾「じゃあ……





     ユイも待ってる側なの?」


 由花「………………」


 真綾「なるほど……じゃあ、ユイは私達より進んではいないんだ」


 由花「」


 真綾「その沈黙はイエスってことね」


 由花「はい!この話はもうおしまい。行くよ」


 真綾「ふふっ……可愛い♡」


 由花「どこに可愛い要素があった?」ジロ


 真綾「ツンなところ♡」


 由花「………ツンの要素なかったと思うけど」


 






 






 【2-D】



 ガヤガヤ



 貴大「おー!お前らどこ行ってたん?」


 俺達が教室に戻ると友達の鈴木貴大と一井寿也がゲームをしていた


 健太「購買でシャーペン買いに行ってた」


 貴大「そっか」


 寿也「の割に結構長かったけど恋愛相談でもしてたか?」

 
 「なわけ。何でもねーよ」



 この2人にはまだ俺が真綾のことを好きとかケンが水瀬のことを好きとかは知らない



 筈……




 寿也「次、移動教室だっけ?」


 「ん」


 貴大「あ、そういや宿題出ていたな」


 「え、そうなん?見せて」


 貴大「俺はやってないからカズッちに言えよ」


 寿也「えぇー……?……いいよ」パサッ



 そう言って寿也が宿題のプリントを出した


 
 「おー、サンキュ」



 で、ケンは宮沢達……おちゃらけてる奴らのとこへ混ざりに行った

 

 「そういや永田は?」


 鈴木「吹奏楽部の集まり」


 「そっか」



 永田は意外にも吹奏楽部に所属している


 因みにフルートを吹いてるらしい



 「」チラチラ





 真綾は………いるな


 あ、野球部の青山達と話してる……


 

 ドクン




 あれ……


 何だこの気持ち……


 



 

 何か山岡(青山成太【あおやまなりた】)に凄ぇ苛立ちが湧く


 嫉妬か?






 貴大「」(テツのやつ、元宮のほうをガン見してるな……エロいやつめ……そんな元宮のボディラインが魅力的か?まぁ、俺も太鼓判押すけど。特に胴回りの引き締まり方)


 
 





 
 キーンコーンカーンコーン……






 昼休みが終わり俺達は移動教室でその教室に向かっていた


 
 貴大「マジで力学って長くね?摩擦力やバネとか混ざってきてもうお手上げなんだけど」
 

 寿也「お前の得意分野じゃん。体で実践してんだろ?」


 「そうそう、性器d……


 貴大「黙れ!!声がデカいっ…!!」


 「お前の声の方がデカいだろ」


 寿也「あ、どちらかと言えば【熱】力学か」


 「【摩擦】で体温上がるからな」


 貴大「お前ら…俺をおちょくってる?」


 


 

 そんなこんなで移動して移動教室で授業始まるのを待っていた


 で、またこんなタイミングだけど俺達は理系だ


 だから物理と生物の選択で物理を取ってる


 化学は共通





 




 ??「なぁ」


 「ん?」



 教室について寿也は机に突っ伏して寝て、鈴木はこっそりゲームをしていて俺は物理の教科書を読んでいた


 そこに、今は別クラスだけど高一の頃友達になった村山羅一(むらやまらいち)が俺に小さい声で質問してきた








 羅一「お前って誰かと付き合ってるのか?」


 「……………え?」


 羅一「一昨日の土曜の夜さ、たまたま友達の家で遊んだ帰りにチャリで【ちっさな公園】通りかかったらさ、お前らしき人が誰かをハグしてるとこ見かけて」


 
 何だと?


 あの付近の家に羅一の友達の家があったのかよ……


 偶然過ぎだろ……




 「いや。見間違いだろ」




 俺は得意のポーカーフェイスで乗り切ろうとした




 羅一「………そっか。じゃあいいや」






 そうか…考えてなかったけど知り合いに見られる可能性もあるよな……








 水瀬「…………」



 由花は哲也と羅一の会話を遠目で見て思った



 水瀬「」(そういや、テツのやつ真綾に『可愛い』や『綺麗』って言ったのか?聞いてなかった……後で【両方】に聞くか)ニッ



 真綾「」ゾワっ


 
 







 続

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