〜コネシマSide〜
泣きそうな顔のまま、崩れかけの城と灰にまみれたボロボロの街を見る。
もはや町の人々すらただそこにあるモノとして存在するだけやった。
たしかにな!うじうじしててもどうにもならん!
せやな!よっしゃ、一番になったるで!
というのが数十分くらい前の会話なんやけど…いや、誰もおらんし、なんもねぇわ。
それに、子供になってもうたから体力ももう残ってないねん。
かーえろ、かえろ。もう疲れたわ。
何かが動く音…まあ正確に言うとあれやな、なんか城の廊下とかでしょるいぶちまけたときみたいなおとやな。まあそんな音が聞こえて振り返ってみた。
そこには何かの本があって、今まさに燃えてるところやった。
それを拾い上げて火を消すと、1ページだけはなんとか読めそうやった。
さっきよりも気合の入った足取りで、俺は城の残骸に戻っていった。




















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!