目が覚めた……が
ここは窓もないからな……分かりづらい
(ドアの向こう側で 話し声がする)
……?何を話してんだ?
……は?
しょ……ぶん…?
今まで好き勝手に実験してきたくせに?
気に入らないことがあったら ストレスの吐き口として殴り,蹴り,刺したりしたくせに?
大した変化がなかったから?よく反抗してきたから?
役に立たないから処分?
ああムカつく!!!
処分するのは明日の朝すぐにって言ったな……
逃げるとしても……
……足の鎖が邪魔だな
よし壊れた
どうせ処分されるんだ
今まで好き勝手にされてた分、解放してもいいよな?
……そこからは 記憶が白く塗り潰されていて覚えていない
気がついた時には研究所らしきものが崩れ落ちていた
しばらくの間,ただ呆然と崩れ落ちた研究所の残骸を眺めていた
ずっとここにいるわけにはいかない
この騒ぎで誰かが来るかもしれない
(背中に生えた翼を動かす)
フワッ
(さっきよりも早く翼を動かす)
牢屋の中だと飛ぶどころか,翼を出すことも出来なかったからな……
スゥ…
やっと自由になれて,嬉しかった
でも俺は所詮
バケモノだというのに












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!