みそらも、フマルも、アオトも、いとも
みんな幸せそうに笑ってる
過去いじめられてたり虐待されてたり…
そんなことなんて無かったように
…羨ましい 妬ましい ずるい、なんで
……嗚呼、俺、独りぼっちだ──
作り笑いは得意だ
いいな、いいな
心の底から笑えて
作り笑いが自然じゃなくて
本当の自分もわかってるんでしょ ?
いちいち作り笑いかわかんなくなんないんでしょ ?
──作るのは得意だったんじゃないのか
気づいたら自然と声に出ていた 。
はは、ここまで言っても気づかないんだ
──これだから痛みを忘れた奴は 。
どんどん怒りが沸き上がってくる
理不尽だ、わかってるのに…
なんで…なんでなんでなんでなんでなんでなんで
知らない間に着いてた
まあお手洗いと言った手前、妥当な場所だろう
さっき思わず口にした言葉を
今度は自分の意思で、はっきりと言う
これは作り笑いなのか…?
それすらわからない
身体中の傷が痛みだした
それでも構わなかった
いつかと同じように、気づけば口にしていた
痛みが強くなると共に怒りが引いてくる
お手洗いと言ったんだ
早く戻らないとバレてしまう
いや、もうバレてるか──
まるでなにもなかったように振る舞う
さっきのことは絶対に触れさせない
いつものように
バレてない日常に
これが正解だから












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!