安「…ああ、風見か。」
私の嫌な予感はよく当たる。
お札をぺいって置いて
店員さんの後を追って店を出た。
少し裏に回ったところで話している。
安「……何?コルンとキャンティが?」
『………!?』
コルンさん……!?
それに、『キャンティ』って…
コルンさんが言ってたことある………
安「わかった、すぐ行く。」
『あ…………』
声をかけようとしたけれど、できなかった。
変に怪しまれるかと思ったから。
それに、多分この人からしたら
聞かれてほしくなかった会話だ。
私はぐちゃぐちゃの感情のまま
走り去っていく車を見ていた。
(もしかしたら…いたり、しないかな………)
コルンさんを探し続けるところ、1時間。
外は雨が降り始めた。
傘をさす気にもなれず、
髪が濡れていく。
私はそれを気にせずに走った。
『…!あれ、さっきの………』
駐車場にさっきの店員さんの姿が見える。
もしかしたらと思い、その奥を覗くと………
『こ、るん…さん……!?』
私は思わず声を上げた。
K「………キャンティ………」
居場所がバレた。
目の前には警察が数名。
その中には………
K「…バーボン…裏切り者……」
零「…そうですよ。僕は公安の人間だ。
おとなしく捕まってください、コルン。」
バーボンの部下らしき人が数名、
俺のもとにじりじりと歩み寄ってくる。
俺は両手を上げて少し後ずさった。
と同時に、インカムに耳を傾ける。
K「…キャンティ。」
[なんだい?]
K「そっちは、」
[まだ誰もいないよ!]
K「そうか……」
零「…キャンティはどこにいる。」
K「俺も…知らない」
ジン、ウォッカ、ベルモットなど…他の幹部は捕まった。
末端も次々と捕まっている。
ベルモットは大人しかったらしいが、
ジンとウォッカは最終的に
銃撃戦にまでなったと聞いた。
キールはバーボンと同じく鼠だったらしい。
(どう逃げるか……)
捕まったら死刑なのは確実だった。
…でも、それは嫌だった。
せめて、もう一度あなたのバーでの名前に会ってから………
『こ、るん…さん……!?』
K「……!あなたのバーでの名前………」
零「……何?」
あなたのバーでの名前が、こちらにかけてきた。
姿を見るのは何ヶ月ぶりだろうか。
あなたのバーでの名前は少し離れたところで一瞬立ち止まったが、
再び俺の方へ走ってきた。
零「!さっきの……。……仲間か?」
K「……いや、知らない」
『……え……』
知り合いだとバレたら……
あなたのバーでの名前まで、疑いをかけられてしまうかもしれなかった。
それだけは避けたかった。
……でも。
再会出来たから、もう一度だけでも、話を………。
俺はバーボンの方に歩み寄った。
あなたのバーでの名前とすれ違ったとき、あなたのバーでの名前にだけ聞こえる声で呟いた。
K「……バーで、待ってる。」
『………!』
言い終わると同時に、歩みを走りに変える。
近くにあったバイクに乗り、エンジンをかけた。
零「あ、おい…待て!
追え!」
部下に指示するバーボンと、
小さく頷いて反対方向に走り去るあなたのバーでの名前の姿だけが見えた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。