ピッ……ピッ……ピッ……ピッ……
私はふと気づいて目を開ける。
そこには……
死んだはずの母親が、病院のベッドで寝ていた。
そう呟いた次の瞬間、母さんの目がゆっくり開く。
なんで今、死んだはずの母親が目の前にいるのか
分からない。
………………でも
もう一度、会えることが出来た。
1歩近づこうとした私に、母はきつく言う。
…………そうだ。
母は、当たりがきつい人だった。
そう言った瞬間、私の後ろにドアが出来た。
直感でわかる。
ドアに入ったら、もう二度と母と会えないことを。
母はいつものように、私を見下すような目で
見てきた。
…………なんで……
私の頬を私の涙が濡らす。
母を見上げる気力はなくて、下をむく。
不意に名前を呼ばれた。
ゆっくり顔を上げたら、そこには……
一筋の涙を流している母の姿があった。
気がつくと、私の視界に最初に入ってきたのは、
白い天井だった。
そして次に……さっきまで聞いていた機械音。
ピッ…………ピッ……ピッ…………ピッ……
息をするたび、私の口にある酸素マスクが白く曇る。
すると私の視界に、硝子が写った。
とても汗をかいている。
私が名前を呼ぶと、
分かりやすいくらいに安心していた。
そうか……伏黒も助かったんだな、と私もホッと
する。
そして、不思議に思った。
もうダメだ、と覚悟をしていたのに。
今、私は生きている。
その人に感謝だな、と思って聞いた。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。