もうカレコレお姉さんと同居して3週間が過ぎた。
お姉さんは朝が弱く、僕が毎朝お姉さんを起こしている。
30分後
いつも僕は質問する。「まだここにいていいですか?」って、そうするとお姉さんは毎回「当たり前でしょ」と答えてくれる。その言葉を聞くととても安心する
「自分の居場所はまだあるんだ」って
僕は通信制の学校に通っている。
月に3度、学校の校舎に足を運ばなければならない、とても憂鬱だ。
お姉さんの匂いがするこの綺麗な部屋から外に出るのはとても憂鬱。
でも、行くしかない。お姉さんに心配はかけられないから
「八宵、学校行ってらっしゃい!!」
〜学校〜
あぁ、とても嫌な気分になる。
さっきまでお姉さんからのメールでとてもいい気分だったのに、やっぱりお姉さんに怒られても学校に来るべきではなかったのだろうか
「好きだよ」なんてお姉さんからしか言われたくない。お姉さんからの「好き」しか受け取りたくない。
先生も大変だな、こんな問題児だらけのクラスの担当なんて
この学校は基本的に、不登校、いじめ、病気、精神的なもの、から学校に来れない子たちが集まる学校だ。もちろんその中に法に触れてしまった奴もいるだが、そんなヤツらを受け入れるこの学校は少し異常だと思う。
学校を退学になり、または退学を自主的にし、この学校に入学するやつは多いだろう。
普通に毎日学校に通うルートと、通信制の2つがある。
僕はもちろん通信制
とは言っても超一流私立高等学校。
社会に出ると、この高校出身というのはおおきくメリットになる。
面接でも、この高校出身というだけでかなり大きいだろう。何せ超一流私立高等学校。まぁ、そんな高校にこんな問題児がいるとも思わないだろうし
早く社会に出て、お姉さんを楽させたい。自分の稼いだお金でお姉さんに何か買ってあげたい
なんてお姉さんの事考えてたら、いつの間にか学校が終わっていた。
今日はお姉さんが早く帰ってくる日だ。ご飯を作って待っていよう。
お姉さんと同居して1週間が過ぎた頃から、僕がご飯を作るようになった。
お姉さんは毎日僕が作ったご飯を口いっぱいにほうばって「美味しい!!」と食べてくれる。
その顔を見ると、とても嬉しくなる。
「僕もお姉さんの役に立ててるんだ」って
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。