日が沈み始め、空がオレンジ色
に染まり出した頃。
私達は手を繋いだまま、ベンチに
座っていた。
隣の彼は空を見上げながら
機嫌が良いのか鼻歌が聞こえた。
彼は愛おしそうな目で
見つめて言った。
その目はやっぱり普通
じゃない。
もしも私へ向けて好意が
あったとしても、きっとこんな
目は向けないだろう。
自分から聞いたはず
なのにどこか恥ずかしい。
私が顔を下げ、彼を見つめ
られないでいると、彼はこう言った。
『 当たり前じゃん 』
と笑う彼を見て私は明那の
言葉が、フラッシュバックする。
これは純愛なのか、それとも執着で
あるのか。それが分かるのは少し先のお話。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!