第18話

EP.18
39
2026/02/02 08:37 更新


あなた
な、なんで火神先輩がここに……!


驚いている私を見下ろして、
火神先輩はふっと小さく笑った。

火神 大我
……あなたこそ、なんでこんな朝っぱらから1人でバスケしてんだよ
あなた
え、えっと……


うまく言葉が出てこない。


昨日のこととか、火神先輩のこと考えてて寝れなかったなんて言えない……


私が黙り込むと、火神先輩は軽く溜め息をついて
私の横に立った。

火神 大我
ほら、ボール貸せよ
あなた
あっ、はい!


慌ててボールを渡すと、火神先輩は片手でボールを持ち上げ、そのままドリブルをして見せる。

ドンッ ドンッ ドンッ

力強くて、無駄のない音が響き渡る

火神 大我
こーやって力抜いて、
指先でボールコントロールすんだよ
火神 大我
……やってみ


ポスッとボールを返されて、火神先輩が言う通りにやってみる

火神 大我
やりゃー出来んじゃん


火神先輩はニカッと笑う
その笑顔に私も頬が緩む

火神 大我
んじゃ、シュート!
あなた
はいっ!


シュートを打とうとして、体勢を屈めると

あなた
……っ、


火神先輩の大きな手が、私の手の甲に重なる。

火神 大我
ほら、まだ力入ってんぞ


火神先輩の体に包み込まれるような感覚に、私の心臓が耐えられない

加えて両手も包まれているせいで、ほとんど身動きが取れない

あなた
あ、あの……
火神 大我
あ?んだよ……


火神先輩は一瞬私の方を見て、気がついたのか
言葉を失っていた
火神 大我
わ、悪ぃ……


火神先輩の手が離れる。

あなた
いえ……

















その後も何度がシュートの練習をしていると、ふと火神先輩が

火神 大我
っと、そろそろ学校行かねぇとな
あなた
え、もうそんな時間…


火神先輩と練習してると、あっという間に時間過ぎちゃうな〜……

っていうか私、私服じゃん!?

あなた
あ、私一旦家帰ってからいきます!
火神 大我
あ?あー、じゃあ俺も1回帰るか
火神 大我
ちょっと汗かいたし風呂入りてー
あなた
じゃあ行きますか!


2人でコートをでて、一旦お互いの家に向かう。

その間は他愛もない話をして過ごしたが、私も火神先輩もどこか上の空だった気がする……

火神 大我
んじゃあ出れる時LINEっすから
あなた
はい!


そう言って火神先輩も私も家に入った

私はすぐに着替えて、火神先輩からのLINEを待った
しばらくして、『もう外でる』とLINEが来たので『はい!』と返事をして私も外に出る



火神先輩とこうして二人で歩くのは、もう何度目か分からない

話していたらあっという間に校舎が見えてきた

火神 大我
じゃあ部活でな


下駄箱前で、火神先輩と別れた



















その日の放課後の練習中、体育館の入り口から誰かが中を覗いていることに気がついた。

入部希望なのかなと思いつつ、とりあえずリコ先輩に報告した

あなた
あの、リコ先輩
相田 リコ
ん?どうかしたの?
あなた
体育館の入り口に、誰かいるんですけど……
相田 リコ
え?ほんとだ、、
まぁー入部希望なら終わったら話しかけてくるでしょ
あなた
確かに、そうですね


特に気にすることもなく、部活に戻り

そのまま練習が終了した








すると



男の子
やっほ〜誠凛さん






日向 順平
なっ……!!
伊月 俊
なんでここに!





火神 大我
黄瀬!?
黒子 テツヤ
黄瀬君?
あなた
黄瀬、さん?


黄瀬 涼太
黒子っち、火神っち!
おひさッス!


入り口の所にいた人だ……!

というか、黄瀬さんって、、

あなた
もしかして……黄瀬、涼太さん、?


思わず名前を口に出すと、黄瀬さんはパッと顔を輝かせた。

黄瀬 涼太
あれ、俺っちのこと知ってるんすか?
いやーモテモテで困っちゃうっすね〜!


──シャラランッ

本当に、効果音が聞こえた気がした。
爽やかすぎる笑顔に、目が眩む

相田 リコ
黄瀬君!こんな所で何してるのよ!
黄瀬 涼太
いやー、この時期になると去年の練習試合思い出してムズムズするんすよー!


去年の今頃って……

海常高校VS誠凛高校の練習試合のことかな

火神 大我
だからって毎年毎年うちの学校来んのか!
おめーはよ!
黒子 テツヤ
黄瀬君って本当に単純ですよね
黄瀬 涼太
黒子っち酷い〜!
黄瀬 涼太
それより!
今年も、練習試合申し込みに来たんすよ!






相田 リコ
はぁー!?
火神 大我
はぁ!?
日向 順平
今年も、って…
いくらなんでも急すぎるだろ
黄瀬 涼太
まっ、日程は監督同士で決めてくだせい!
相田 リコ
ちょっ!人任せな……!


なんだかすごい人だな……
あっという間にみんなの中に入ってる、、

黄瀬 涼太
あそーだそーだ!


そう言いながら、黄瀬さんは何かゴソゴソしながら私の前に立った

あなた
……え?
黄瀬 涼太
君、誠凛のマネージャーでしょ?
これ俺のサイン入りの雑誌っす!


カバンから雑誌を取り出して言った。

私は少し驚いて、えっと……としか言いようが無かった





黄瀬 涼太
いや〜女の子からサイン求められることも多いから、今日は用意してきたんすよ〜!
あなた
あはは……
黄瀬 涼太
てかよく見ると可愛いっすね!
俺の事務所で一緒にモデルとかどーっすか?


弾丸のように次々に言葉を投げ掛けられて、返事が追いつかない

しかもモデルって……

相田 リコ
ちょっと、黄瀬君!
うちのマネージャー困らせないでよね
黄瀬 涼太
勧誘っすよ〜!
んで、どーっすか!モデル!


グイッと一気に距離を縮めてきた黄瀬さんに、少し戸惑っていると……

火神 大我
……近ーよ、黄瀬


あなた
えっ


思わず火神先輩の方を見ると、
黄瀬さんも「ん?」ときょとんとした顔をして火神先輩を見る。

黄瀬 涼太
なんすか?火神っち


黄瀬さんがニコニコと笑いながら尋ねる。
でも火神先輩は、その笑顔にイラついたように視線を逸らして、

火神 大我
だから、近ーんだよ……
監督が困らせんなって言ったろーが


威圧的じゃないが、どこか棘のある言い方だった

黄瀬 涼太
嫉妬すかー?火神っちー


黄瀬さんは少しからかうように言った

火神 大我
は!?ち、ちげーよ!!
黄瀬 涼太
えー?
俺には嫉妬してるようにしか見えないけどなー
火神 大我
ば、バカ言ってんな!
んなわけねーだろっ!



めちゃくちゃ必死に否定する火神先輩とは裏腹に、どこか楽しそうな黄瀬さんを見て思わず、

あなた
ははっ、お二人とも仲良いんですね


少し吹き出してしまった

すると、

火神 大我
仲良かねーわ!
黄瀬 涼太
仲良しっすよ!






火神 大我
は?
黄瀬 涼太
え?








黄瀬 涼太
俺ら何回もバスケした仲じゃないっすか!
酷いっす〜!!
火神 大我
うっせーな!黄瀬!
お前と仲良しこよしになった覚えはねぇ!
黄瀬 涼太
黒子っち〜!!
何とか言ってくださいよー!
黒子 テツヤ
僕も、仲良しこよしになった覚えはありません











黒子 テツヤ
ただ、
黒子 テツヤ
良き友であり、
ライバルであることには変わりません



その言葉に、全員がグッと息を飲んだ


黄瀬 涼太
当たり前じゃないっすか
こっちこそ、永遠のライバルっすよ!








黄瀬 涼太
じゃ、練習試合の件は伝えたんで俺帰るっすわ〜!


そう言って黄瀬さんは体育館に背を向けた

小金井 慎二
そ、それだけの為にわざわざここまで……!
日向 順平
ったく、相変わらずだな……
伊月 俊
まぁ、相手にとって不足なしだな
火神 大我
黄瀬と出来んなら大歓迎だ
黒子 テツヤ
はい




あなた
皆さん、気迫十分ですね……
相田 リコ
あったりまえよ!
気を抜いて戦える相手じゃないわ
相田 リコ
じゃあ私は海常高校と連絡取るから、みんな先上がっちゃってー!



「うっす!!お疲れ様でしたー!」

という掛け声が体育館に響いたあと、それぞれ更衣室に向かった


相田 リコ
あなたちゃんも、先帰っちゃってていいわよ
あなた
あ、はい!分かりました!
お疲れ様でした!



私も更衣室に向かい、制服に着替えた








着替えて外に出ると


火神先輩、今日は待っててくれてる……

火神 大我
着替えたんなら帰んぞ


それだけ言って私の少し先を歩く

また二人で一緒に帰れて嬉しい……!
何度も高鳴る胸を抑えながら、火神先輩の隣に向かった


















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