夜、街灯に照らされた近所のバスケコート。
無性にイライラするこの気持ちをかき消したくて、無心でバスケをする
……何も思ってねぇ、か
胸の奥がチリチリと痛む。
シュッ……とゴールに向かってシュートを放つが、
ボールはリングに弾かれた
額の汗を手の甲で拭う。
なんでこんな……モヤモヤすんだよ、、
そのとき。
不意に聞こえた声にビクッとして振り返る。
そこには手をポケットに突っ込みながら
笑みを浮かべる日向先輩が立っていた。
なんでこんな所に……
日向先輩は、無言でベンチに腰をかけて、俺のシュートを眺めている
俺は一瞬戸惑った
聞いていたと言えば聞いていた
無言を貫こうと思ったら、先輩が口を開いた
日向先輩は全てを見透かしたような表情をしている
シュートを放つが、またもや外れた。
そのボールを拾い上げ、
日向先輩がバァン!と俺の背中を叩いた。
日向先輩は真剣な目で俺を見据える。
その言葉に、胸がズキッとした
絞り出すように言った声は、
自分でも驚くほど弱々しかった。
日向先輩は小さくため息をついて、
ボールを返してくれた
そう言うと、日向先輩は立ち上がり、
「じゃあな」と手をひらひら振って
コートを後にした。
夜風が吹き抜ける。
ボールを抱えたまま、無言で夜空を見上げた。
……なんだよ、これ……
胸の奥が、またチクリと痛んだ。
夜道を、バッシュを鳴らしながら歩く。
日向先輩の言葉が頭から離れない。
……高尾と〇〇が付き合ったら……か。
ズキッと胸が痛む。
なんなんだよ、マジで……
肩にかけた部活バッグがいつもより重く感じる。
やっと家に辿り着くと、
玄関前でふと顔をあげた。
隣の家、あなたの部屋の窓。
……電気、ついてねぇな。
頭をガシガシと掻く。
っつーか、今LINEすんのもなんか違ぇし……
でも、なんか何してるか気になる、、
無意識にスマホを握りしめて、
画面を点けたり消したり。
大きなため息をつくと、
俺ははそのまま部屋へと入っていった。
靴を脱ぎ、リビングへ。
誰もいない部屋が、やけに静かだ。
その夜も、俺はベッドの中で寝返りを打ち続けた。
結局、ほとんど眠れなかった。
布団の中で何度も寝返りを打ちながら、
スマホの画面を何度も点けては消す。
はぁ……クソっ……寝れねぇ
時計を見ると、もう5時を回ったところだった。
布団を蹴飛ばしてジャージに着替え、制服とカバンを手に家を出た。
朝の澄んだ空気が、体を包む
……軽くシュートでも打って、気持ち切り替えっか。
そう思って近くのコートに向かう。
しかし
まだ朝焼けも昇りきっていないコートから、
かすかにダンダンとボールをつく音が聞こえた。
誰だ、こんな時間に……?
コートの隅から覗くと、
そこには……彼女がいた。
慣れない手つきでドリブルをして、
ぎこちないフォームでシュートを打っている。
ボールはリングに当たって外れる。
……何やってんだよ、こんな時間に。
気づけば口が開いていて、
勝手に足が前に出ていた。
茶化すように言ってみる
振り返る彼女の顔は、朝日に照らされて
いつもより少し赤く見えた。
やべ、なんか……かわ……
俺は、無意識に視線を逸らした。
何故か胸が少しキュッとなるのを感じたが、俺はそれに気が付かないふりをした












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。