それから3日。
あの時のLANの発言を気にしていた俺は極力すちから離れないように気をつけてはいるが
思ったより状況が動くことはなかった。
そう屈託なく笑うすちの顔を見ると
やっぱり自分のわがままを突き通してあそこに置くのは違うと痛感する。
このまま笑っていて欲しい。
そう思う。
すちから離れないためにね
そう言ってその場を離れた。
笑顔でヒラヒラと手を振ってくれるすち。
それが、俺が見た最後の笑顔だった。
ブツブツ文句を言いながら教室にもどると
すちの姿がなかった。
さっき俺を呼び止めたクラスの女子に声をかけると、大袈裟に肩をビクつかせた。
あからさまに何かを知っている素振りをしながら会話をしようとしないそいつに嫌気がさす。
語尾を震わせながら恐る恐る口を開いた。
急いでいつもの場所に戻った俺は異常な光景を目にした。
そこには
ベッドの上に座るLANとそこにもたれかかるこさめ、恍惚とした顔をするいるま、そして
ボロボロになって崩れ落ちるすちの姿があった。
俺の言葉も虚しく静かな空間に散っていく。
LANはほくそ笑んで近づいてきた。
すちの方を見ると、泣き腫らした顔に涙の跡がついていた。
何かを訴えるようにこちらを見ている。
LANとこさめに訴えかける。
2人はどこか物足りない表情をして顔を見合わせ
微笑むとこさめが口を開けた。
そうすると明後日の方向を見ていたいるまの髪を掴んで無造作にベッドに叩きつけた。
よく見るといるまの体全体に鞭のあとがある。
今までであれば喚いて叫んで抵抗していたことだろう。
でも今は
堕ちたヤツには褒美でしかなかった。
LANはベッドから降りるとそこに倒れるすちの髪を掴んで上に引き上げた。
俺は今までに感じたことのない恐怖に震えた。
愛する人の死を目前に俺はここで懇願することしか出来ない。
そんな自分に反吐が出そうだった。
おもむろにすちが口を開く
そう言ったすちは俺の方を見て微かに微笑んだ。
俺は重大な間違いを犯した。
俺はすちを手に入れたかった。
でも、違った。
すちはモノじゃない。
1つの感情を持った人間だって。
大丈夫じゃねぇだろ。
なんでそんなこと言えんだよ。
愛って醜い。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!