木から飛び降り、今にも爆発寸前のグリムを抱える。
きっと彼の怒りは収まらないだろうから、赤髪の額に指を軽く弾く───
その間に走り抜け、学園長の言う『きょうしつ』に行く。
すると全員からの視線が刺さる。
怒っていながらも、少し嬉しそうに「ざまあみろなんだゾ!」と呑気に言う。
すると、彼の気配とともに風……いや、暴風がやって来た。
なびく髪を押さえながら彼を見る
相手するのも面倒だ。
それに自分はこういう性格の人は好きではない。だからそっぽを向いて席に座る。
するとグリムが怒り、彼に向かって歩き出す。
それを抱き抱えてとめると
───ジャキッ
クスクスと笑う彼にさらに怒りを覚えるグリムが私の手をさらに引っ掻く。
そこに1人の男子が入り込む
───だれ?
2人が声を揃えて言う。
すると彼はエースに「同じ寮のやつの名前も覚えてないのか?」と言ってため息を吐く
そう言うと私に向かって歩く。
そんなのは御構いなしでそっぽを向いて今度こそ、と席へ戻る。
今度は離れないよう強く抱き締める。
彼が肩を掴もうとするが、避ける。
そんな私の態度に腹を立てたのだろう、エースが私に言う
────ビュォォォ
人は飛ばない程だが、とてつもない強い風が吹く。
私自身の言動が彼を怒らせたらしい。
人とお喋りなんてこの間の柱合会議の時しか(筆談)喋っていない。
その時も必要なこと以外喋っていない。
私が微動すらしないからなのか、余計に彼は腹を立てる。
それにデュースが「やめないか!」と言うも、聞かず私の目の前へ来る。
グリムは何を考えているのか少し顔をつき出す。
と、
火を彼が吹く。
エースはその一言で気付き風で火を反らせると、きょうしつ中に火が回る。
他の『くらすめいと』が水を出して何とかさせていると、
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。