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第26話

prologue,2
232
2021/10/30 23:15
あなた
(よっと……)
木から飛び降り、今にも爆発寸前のグリムを抱える。

きっと彼の怒りは収まらないだろうから、赤髪の額に指を軽く弾く───



エース
───いって!!

その間に走り抜け、学園長の言う『きょうしつ』に行く。

すると全員からの視線が刺さる。
グリム
やい!
さっさとオレ様を離すんだゾ!!
グリム
まぁ……さっきのは褒めてやるんだゾ!
怒っていながらも、少し嬉しそうに「ざまあみろなんだゾ!」と呑気に言う。

すると、彼の気配とともに風……いや、暴風がやって来た。

なびく髪を押さえながら彼を見る
エース
さっきのちょー痛かったんだけど?
あなた
………
相手するのも面倒だ。

それに自分はこういう性格の人は好きではない。だからそっぽを向いて席に座る。
するとグリムが怒り、彼に向かって歩き出す。
それを抱き抱えてとめると


───ジャキッ


グリム
離すんだゾ!
やり返さねぇと気がすまないんだゾ!
エース
やーい!
まるで飼い主の手から逃げる"ペット"みてぇだな!
クスクスと笑う彼にさらに怒りを覚えるグリムが私の手をさらに引っ掻く。

そこに1人の男子が入り込む
???
お前たちみっともないぞ。


───だれ?


2人が声を揃えて言う。
すると彼はエースに「同じ寮のやつの名前も覚えてないのか?」と言ってため息を吐く
デュース
僕はデュースだ。
2人とも落ち着くんだ。
そう言うと私に向かって歩く。
そんなのは御構いなしでそっぽを向いて今度こそ、と席へ戻る。

今度は離れないよう強く抱き締める。

彼が肩を掴もうとするが、避ける。
そんな私の態度に腹を立てたのだろう、エースが私に言う
エース
お前さー
グリムを見とけって言われたのは見たらわかるし、喧嘩とめるまでは良いけど、明らか心配してくれてる奴まで避けること無くない?
あなた
……
エース
あと、なんか言わねーの?
俺すんげーお前の態度にイラついたんだけど?
あなた
……僕は余計なお話とかしたくないんです。
あなた
わかるでしょ?

────ビュォォォ

人は飛ばない程だが、とてつもない強い風が吹く。
私自身の言動が彼を怒らせたらしい。
人とお喋りなんてこの間の柱合会議の時しか(筆談)喋っていない。

その時も必要なこと以外喋っていない。

私が微動すらしないからなのか、余計に彼は腹を立てる。
それにデュースが「やめないか!」と言うも、聞かず私の目の前へ来る。

グリムは何を考えているのか少し顔をつき出す。

と、


グリム
食らえ!
爆発頭!

火を彼が吹く。
エースはその一言で気付き風で火を反らせると、きょうしつ中に火が回る。

他の『くらすめいと』が水を出して何とかさせていると、



クロウリー
───いったい何事です?!

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