《ハッチャン視点》
ゆっくりと家の扉を開けて
と言う。
呼ばれてリビングに入れば、怖い顔をした両親がいた。
ここに居たくない、逃げたい。
なんとか気持ちを奮い立たせて謝罪を口にする。
父親の言葉に唇を噛む。
確かに髪を金髪にしたり、夜の8時ぐらいまで遊び歩いている日もあったが、髪染めは校則で禁止されているわけじゃないし、8時の帰宅は許される範囲内でしょ。
だからといって悪い奴と付き合ってるとか決めつけないでよ。
反論を飲み込んで両親に向き直る。
父親が手を振り上げる。
殴られる。と思わず歯を食い縛るがその手が振り下ろされる事はなかった。
そう言って父親は自分の部屋に入り、
「ガチャ」と鍵を閉めた。
するとずっと黙っていた母が静かな圧を放ちながら話しかけてきた。
重いカバンを持って、母に別れを告げ、皆のもとへ向かう。
取り敢えず当分の目標は成績を取ることだな。
本当の友達も出来たことだし、クラスの嫌な奴らとはさっさと縁を切ってしまおうじゃないか!
ニヤニヤと上がる広角をそのままに皆に電話をかける。
電話の向こう側
(ねろちゃん・らんちゃん・しうねさん・アベレージ・瀬戸・なつぴょん)
《視点無し》
プルルルル プルルルル
アベレージが受話器を取り、ねろちゃんに持たせた。
ねろちゃん以外のメンバーは固唾を飲んでねろちゃんの方を見ている。
5人は受話器から微かに聞こえたハッチャンの声とねろちゃんの言葉で結果を確信した。
しうね、なつぴょんはホッと胸を撫で下ろし、
アベレージはLINEでメッセージを送り、
みさとらんと、瀬戸はねろちゃんから受話器をもらいハッチャンに「良くやった!」と声をかけている。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!