第4話

 1ヶ月恋愛
1,258
2020/08/05 22:27
「ごめんなさい、無理!」
「うっわー、__ってひどーい」
「俺の繊細な心がキズつきましたー
お詫びとして付き合ってくださーい」
「無理!」
「うわ、愚の骨頂だぁ」
「いや愚の骨頂って…とりあえず無理!」
「じゃあ、君の過去と嘘をぜーんぶ
…橋村だっけ、あいつに話すよ」
「…やってみろ」
嘘、はとにかく
私の過去をこいつが知ってるはずがない。
まず、心の連絡先知ってるの?
「わかった、今からメールするね」
「……ハッタリは
よしたら?」
「ハッタリじゃないよ、ほら」

突き詰められた連絡先の名前は
kokoro
…間違えなく心の連絡先だった。



「………分かったわ。」
「あくまでも1ヶ月だけ、よ!」
「言われなくても」
即答はなんか悔しいけど
まぁいい。
「でもまぁ、
君の本当は俺が教えてあげるから、安心してよ」


そう耳元でささやいてあいつは部屋から出た。




「…私の、ほんとう」
私は何回もその言葉を繰り返した。
私は確かに
笑顔の仮面をつけて偽りの言葉を紡ぐ
あいつが言うとおり、
お人形さんなのかもしれない。
だけど、それには
私の、あの事が関係してる。
もしかして、あいつ全部知って
…なわけないか。
知ってる人はいないはず。
わざわざ遠い高校を選んだんだから。

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