それからなんだかんだ一週間がたち、
旅立ちの日がやってきました。
そんなことをやっていた時に、奥の部屋から、メイさんと天使さん、クレンさんが出てきた。
どうやら、スイさんたちの住処は全然2週間以上は移動しないとたどり着かないらしい。
ちなみに食料とかはないので、その日は狩になるそうです。
魔獣を捌けって、鬼か?
そんなことを思いながらゲートに荷物を入れる。
最近旅しすぎな気もするけど…、まぁいいだろう。
そもそも一ヶ月以内に来いって無茶ぶりすぎるよ…。スイさんは一瞬で行けるから言ってるんだろうけど…。
そう言い、彼女は俺の頭を軽くたたく。
……スイさん達と別れてまだ早い気もするが、正直彼らがいなきゃ暇だ。(あとネタがないんですよどうやって尺を稼げばいいんですか!!)彼は、俺の方に顔を向けてそう叫ぶ。
準備は整ってるという意味で、俺も大きく頷いた。
一人ひとり、俺らに向かってそう言う。
けどクレンさんは、やっぱり何も言わずに自分の部屋へ戻っていった。
そんなことを言い、俺等は神社の外へ出た。
彼は首をかしげる。
俺はすぐにゲートから手紙を取り出して開いた。
落ち込んだような、めんどくさそうな声で彼は肩を落とし、ガクリとがっかりしていた。
……お前どうせ魔獣なんてワンパンで殺せるだろ。
歩きながら地図をガン見していると、気になるものが書いてあった。
そう聞くと、ミラさんはほぼ即答で頷いた。
とりあえず、魔獣の森へ向かうことにした。
気温はまだ寒いが、空は快晴のため暖かい日光が俺等を照らしてくれていた。
まだ全然耐えれる寒さ。
草原の中、何体か魔獣が出てくる。
ミラさんはそのまま構える。
俺はできるだけ魔力を消費したくないため、魔法陣を展開した。
魔獣が数体、こっちに飛び込んでくる。
しかし、魔法陣は奴らを完全に捉えた。
数個の魔法陣から光線が出ていき、魔獣に向かって行った。
魔獣は驚き、踵を返し逃げようとする。
光線はそれを追いかけるように伸びて行った。
何体か、光線が命中し体を貫かれる。
しかし、後一体ってところで光線は別の障害物に当たり、そのまま消えてしまった。
魔獣が立ち止まり俺の方を見たところで、俺は再び魔法陣を展開する。
光線は再び魔獣に命中し、魔獣は跡形もなく消えて行った。
___瞬間、背後から魔獣が飛び掛かる。
咄嗟にシールドを展開しようとした時、
衝撃音と共に、魔獣が遠くへ吹っ飛んだ。
そこにはミラさんがいた。
そのまま後ろを振り向くと、まだ魔獣が数体いた。
再び魔法を使おうとした時、ミラさんは前に立ちはだかる。
そう言い、ただただ魔獣の元へ走る。
何かできることは無いかとあたりを見渡す。
その時、目に入った。
塵のようになり消えかかっている魔獣の死体。
___体には一つだけ、強く凹んだような損傷。
風が吹き風塵が舞う瞬間、思わず彼の方を見る。
とてつもない速さで魔獣たちの元へ走っていき、勢いよく蹴り上げる。
地面に落ちた魔獣は、もう消えかかっていた。
彼は、次々に魔獣たちを殴り、蹴り、倒していく。
その力はすさまじく、一体殴っただけで轟音が響き、風が吹き抜ける。
目を凝らしてみないと、追いつけない速さ。
……あぁ、なんで今まで気づかなかったんだろう。
彼は毎回戦うとき、相手が悪すぎたんだ。
やっと気づいた。
その動きは、人並みにできるものではない。
猛烈で、刺激的で、もはや魅力さえ感じさせた。
それはただの暴力のはずなのに、なぜかその動きに見とれている自分がいた。
まるで、踊っているかのように彼は舞いながら戦っていた。
そんなことを考えていると、ミラさんは最後の一体を倒して、そのまま着地した。
振り返った彼の顔は、楽しそうに笑っていた。
魔獣の森までは驚く程遠い。
いまだにただ広い草原を歩いているだけ。
そんな話をしながら進んでいた時。
奥の方に川があった。
ミラさんは目を見開いて川を見る。
その川は大きく、しかも深そうだった。
辺りを見渡しても、橋らしきものはない。
そう言うと、ミラさんは首をかしげて言った。
その言葉に、一瞬思考が止まる。
……え、何言ってるのこの人…。
彼はそう言い、悩むしぐさをする。
少しほっとしたのも束の間、彼は「そう言えば」と声を上げた。
思わず顔が引き攣る。
この人…、まだ全然泳ぐ気だ…。
そう言われ、思わず口を噤む。
正論を言われて、何も言えない…。
出来るだけ魔力を温存したいため、川一帯ではなく彼の体に魔法をかけた。
彼は上着を脱ぐ。
彼は少し不服そうな顔をして、川に入る。
俺はそのまま飛ぶ。
川が胸ぐらいまで深くなると、彼は顔を川につけ体制を変える。
そして、少し急な坂になった地面を蹴り、勢いよく前に進んだ。
そしてバタフライで息継ぎをしながら泳ぐ。
横から波が押し寄せたりして泳ぎにくそうだが、物凄い速さで泳いでいる。
多分、二分弱とかには奥川に着くだろう。
俺も上から彼について行く。
ミラさんは相変わらず楽しそうに泳いでいた。
川の半分まで来た___
ミラさんはいきなり動きを止めた。
彼に近づこうと少し体を下した時、
彼の体は川の底へ引きずり込まれた。
思わず何も考えずに川へ飛び込む。
そう言えば自分の体に魔法をかけるのを忘れていた。
けど彼を見失っている。ここでさらに時間を使うわけにはいかない。
俺はとりあえず下へ下へと潜る。
けど、潜っても潜っても地面に着かない。
あぁ…駄目だ…、寒い…、意識が朦朧としてきた…。
いつまで潜り続ければいいんだ…?
視界がぼやける…。
待って、ミラさんが……、
そんなことを思っていても、無慈悲に俺の意識は途切れ____
現在俺は、川の奥底に猛スピードで連れてこられてます。
どうにかしようと腕を振り上げられたら触手のようなもので縛られたし。めっちゃ吸盤痛いし。
ってかなんだよこの巨大な吸盤。ってかこの触手もえぐい程デカいんだけど怖…。
ぶっちゃけこの速さに普通の人が追いつけれとは思わない。
がれきの安否を確認するためにも、どうにかしてこいつから抜け出さないと…。
辺りを見渡すと、若干川が赤色に染まってる。
自分の体を見ると、吸盤が当たってる部分に血が滲んでた。
岩の隙間を通ってた俺の視界が一気に開ける。
自分の目を疑った。
岩の狭間を抜けたその下には、
都市があった。
建物はボロボロで、苔が生えてたりしているが、まだ形を保っていた。
な、なんでこんなところに…。
途端に、俺の体は少し引き上げられる。
岩の天井に張り付いていたのは、
ありえないほど巨大なイカだった。
驚きすぎて思わず息を吸おうとしてしまい、一瞬おぼれかける。
川にこんなのが住み着いていたのか…。
……え、無理よ?俺これに勝てないよ??
出来るだけ腕に力を入れ触手を引きちぎろとしても、びくともしない。
っていうか動きすぎで体力無くなりそうで怖い…。
その時、俺の体はイカの体の下に持ってかれる。
やばいどうしよう食われる…!!
身動き取れない状態でどうすればいいんだよこれ!!
あぁぁぁ、やばいやばいやばい…!!
イカに食われそうになったその瞬間、
こちらに手を伸ばしているがれきの姿があった。
イカの触手は、数本がれきに向く。
けどその瞬間、
がれきの掌から魔法陣が展開され、
光線が奴の頭を貫いた。
イカは轟音のような断末魔を上げて塵となって消える。
奴の力が緩んだ瞬間、俺は奴から抜け出した。
彼女は小さく呻き、沈む。
俺は急いでがれきをキャッチし、出来るだけ早く陸へ向かった。
何とか水面から顔を出すことができ、急いで陸に上る。
がれきを寝かして、口に耳を近づける。
よかった、微かではあるけど奇跡的に息してる…。
頬に触ってみると、酷く冷たい。
川周辺に魔法を掛けたわけではないのか…?
低体温症の恐れもある。
俺の上着は、さっきまでいた、向こう側の陸に無造作に置かれていた。
体を起こす。
視界には、赤く燃える火が目に入った。
隣にはミラさんがいる。
……?ミラさん…?
あれ、あの川にもぐったところまでは覚えている…。
俺たち、助かったんだ…。
ほっと胸をなでおろす。
その時、自分の服を見て違和感を感じた。
俺の体はミラさんの上着に包まっていた。
最近、ミラさんに心配かけっぱなしなきがする…。
……反省しないとな…。
空を見ると、夕焼けに染まっていた。
呆れたような顔でそう言われ、少し自分が何言ってるのか分からなくなった。
そんな会話をしてるうちに、世界は闇に染まった。
5時間前
そう提案してきたのはマカだった。
そう言い放ったのはけい先輩。
吸血鬼二人組はいかないと。
そう聞くと、皆勢いよく頭を縦に振った。
その場にいる全員、目をキラキラ輝かせて辺りを見渡していた。
皆はしゃぎながら都市を移動する。
そう叫びながらキョロキョロしていると、
ドンッ
誰かとぶつかってしまった。
見た感じ、うちらと同い年ぐらいの女の子。
その後ろに、もう一人いる。
リンカ先輩の声で我に返り、一言謝りみんなの元へ向かった。















































編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。