……え俺この短時間で賢者に二人会ってんの?
彼女は「うーん」と何かを考える。
すると、アレスさんは呆れたような顔で彼女に言った。
納得したように右手を握り左手の掌に落とした。
……なんか、賢者って個性的だなぁ…。
こんなところで戦闘繰り広げないでくれ…。
本当にこんなところで戦闘繰り広げないでくれ。
ヴィーナスさんとアレスさんにそう言う。
すると彼女たちはハッとしたような顔で俺を見た。
アレスさんはヴィーナスさんにそう言う。
すると、ヴィーナスさんは「えー?」と顔を一瞬顰めさせた後、満面の笑顔で言った。
その瞬間、アレスさんの掌から炎の剣が出てくる。
彼女をなだめながらそう叫んだ。
アレスさんはため息を吐きながら指を鳴らす。
その時、地面が競り上がる。
するとその競り上がった地面は、椅子と机に変形した。
そう言いながらアレスさんは椅子を引き座った。
ヴィーナスさんも椅子に腰を掛けたため、俺も椅子を引いて座った。
そして机の上に置かれたものはオレンジジュースと紅茶、そして酒だった。
そう言いながら赤い皿?に入った酒をごくごく飲む。
ヴィーナスさんもオレンジジュースを嬉しそうに飲む。
そんな様子に少し引きながらも、俺も紅茶に口をつけた。
思ったより甘みが増していて、優しい味が口にふんわり広がる。
ぶっちゃけマジ美味い。
なんだか温かい気持ちになり、ふとそう口に出てしまった。
若干、何とも言えない空気が流れる。
今の世界では無性の俺だが、大分男のような見た目をしているのらしい。
だからもしかしたら、女として見られてないのかも…、
説明しようと口を開いた時、ヴィーナスさんが口を開く。
一瞬、思考が止まった。
いやもう一周回って一瞬で理解したかもしれない。
思わず大声で叫んでしまった。
俺は改めて彼zy……、彼の体を見てみる。
腹周りはくびれて体は細いが、確かに晒された腹部にうっすら見える腹筋が形を持っていた。
そして、身長が結構高い。
170以上は多分あるだろう。
紅茶を啜りながらそう呟いた。
するとヴィーナスさんは少し困ったような顔をしながら笑顔でジュースを飲んでいった。
自分に自信があることはいいことだよ。
アレスさんは空になった器を机に置いて、そのまま地面に寝転がる。
肩肘を地面につけ、頬杖をつくように手に添える。
……本当におっさんみたいだなこの人…。
彼はそう言い頭を横にぶんぶん振る。
するとアレスさんは大きくため息をつき、体を起こす。
そして、俺らに背中を向けたまま、ヴィーナスさんに言った。
なんそれ、怖…、
その時、彼は立ち上がり俺に手を差し出した。
俺は困惑しながらも彼の手を握る。
すると、俺ら二人の体は光に包まれ、足は地面から離れた。
その瞬間、俺等の体はその場から消えた。
目を開けると、そこは俺が中に入った大樹の前だった。
気づけば空はオレンジ色に染まっている。もうこんな時間だったのか…。
礼を言おうと、顔を横に向ける。
けど、そこに彼の姿はなかった。
そんなことを一人呟き、俺は帰路についた。
帰宅後、ミラさんに少し怒られました。
実際俺は午前中に散歩と言って出て行って、夕方に帰ってきたから、6、7時間以上散歩していたってことになる。
……心配かけちゃったかな…。
目を逸らしながらそういうと、彼は心なしか納得できない顔で俺から離れ、どこかに行ってしまった。
……また悪いことしちゃったなぁ。
けど、さっきアレスさんが言っていた『惨殺は免れない』っていう言葉的に、あまり良くないことなんだろう。
なら、いうわけにはいかない。
すると後ろからナナオさんがやってきた。
そう言うと、彼は少し呆れたような笑顔で小さく笑った。
そのナナオさんの心遣いに少し心が温かくなった。
やけに嬉しそうな彼の笑顔を見て、癒されるのを感じた。
やっぱり誰かの笑顔を見ているときが一番癒されるね。
戻ってきたミラさんは俺とナナオさんがいる間に勢いよく腕を振り下ろした。
そんなことを俺ら二人が言った時、彼はにやりと笑い言った。
いきなりの事で、目を見開いたまま頷いた。
すると彼はさらに口角を上げ言った。


























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。