kaname side
昔から病弱だった。
何かしら病気があった。
毎日扉の向こうでは喧嘩の声がしていた。
その喧嘩を聞く度、俺は消えたい。
その気持ちが積っていくばかりだった。
それも夜の遅い時間まで続く。
喧嘩が終わっても俺の気持ちは落ち着かないから
眠ることも日に日に出来なくなっていった。
病院の診察が終わると母親の溜め息が
分かりやすく耳に入ってきて
俺は苦しくなっていった。
そんな日が続くと学校でも居場所を失った。
家の状況が少しバレてしまったこと。
俺の病気が知れ渡ってしまったこと。
暴力とかの虐めは受けなかったけど、
常に会話に入れてくれない。
省られているそれが空気で分かった。
ずっと担当してくれてた医者と2人だけで
話す機会があった。
だから全部話してみた。
そこで初めてARKHEと会った。
お互いその時は顔を知らなかったけど。
会釈してくれたから俺もお辞儀をして
その日は精神科に診てもらい、1日が終わった。
あれから大学を卒業して
精神科の病院に着いた時に、ARKHEと再会した。
この会話があったおかげで俺らはお互いの過去を
知るのは早かった気がする。
ARKHEはもちろん、れむ、しゃるろ、しの、うるみや
に会った時からもう俺の黒は白になってたのかもね。
5人に会ってからは自然と笑える時間は多くなって、
昔に囚われることも少なくなった。
俺たちを逢わせてくれてありがとう。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。