昼休みの廊下。
教室へ戻る途中。
急激な立ちくらみに襲われて。
僕は冷たい壁にそっと体を預けた。
頭の奥がズキズキと激しく脈打っている。
昨夜も深夜のバイトが長引き。
家に戻ってから。
るなの朝ごはんの準備や洗濯をしていたら。
結局一睡もできないまま朝になってしまった。
ここ数ヶ月。
まともに眠った記憶がない。
廊下の向こうから。
るなが血相を変えて走ってくるのが見えた。
その隣には。
心配そうな顔をしたシヴァも一緒だ。
いつものように。
心配をかけないように微笑もうとした。
だけど。
言葉がうまく紡げない。
口元が不自然に引きつる。
るなが僕の手をぎゅっと握りしめ。
今にも泣き出しそうな声で訴えかけてくる。
るなが。
廊下に響き渡るような大声をあげた。
ポロポロと、大粒の涙が彼女の頬を伝って落ちていく。
言いかけた。
その時だった。
視界が。
急激に真っ暗になった。
頭の芯からすうっと血の気が引いていき。
地面がぐにゃりと反転する。
るなとシヴァの悲鳴のような声が。
遠くの方で聞こえた。
自分の体が床に崩れ落ちていく感覚を最後に。
僕は深い闇の中へと意識を失った。
うっすらと目を開けると。
白い天井が見えた。
鼻を突く消毒液の匂い。
ここは。
学校の保健室だ。
ベッドの横から。
小さな手が僕の手を強く握りしめた。
見ると、るなが目を真っ赤に腫らし。
ボロボロと涙を流しながら僕の顔を覗き込んでいた。
るなは僕の胸に顔を埋めて。
子供のように声をあげて泣きじゃくった。
自分を激しく責めて泣き続ける妹の小さな肩を。
僕はただ見つめることしかできなかった。
守りたかった。
安心させてあげたかった。
なのに。
僕のせいで。
るなをこんなにも傷つけて。
泣かせてしまっている。
カーテンが開き。
シヴァが静かに中に入ってきた。
その瞳は。
いつもの優しさの中に。
言葉にできないほどの。
深い悲しみと決意を宿しているように見えた。
新作読みましたか…?
🐏🎸ですよ!?
読むべきです!!!!!













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!