莉犬side
体育祭まで、
あと少し
体育授業でも、
リレーがあり、
俺の毎日は
絶望を感じていた
『はぁ……はぁ…………うぅ……』
溜雨『頑張れ、莉犬!!』
熱い太陽の下
クラス対抗リレーの練習
を行っている
赤いバトンを持って
溜雨くんに向かって走る
『…………はいっ……!』
溜雨『…………っ!』
バトンを溜雨くんに渡し、
物凄い速さで走っている
『つ、疲れたぁ……』
走り終わった人達の列の後ろにつく
モブ男『学級長……おつかれw』
『……つかれた…………』
溜雨『……ふぅ……』
俺の後ろにつく溜雨くん
『さすが溜雨くんだね……』
あまり、疲れてなさそうな溜雨くん
疲れてぐったりしている俺を見て、
溜雨『莉犬の分も僕が頑張りますから……安心して走ってくださいね?』
と言う
優しいな……
『ありがとう……』
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『ゴクリ…………』
教室で、水筒の中のお茶をガブ飲みする
『…………ぷはぁ…………生き返ったぁ……』
溜雨『水分補給しないと、倒れちゃいますからね』
そう言うと、溜雨くんも、水筒を飲んでいる
溜雨『莉犬…………あれ、』
溜雨くんが、扉を指さしている
『……あれ?』
指さした方には、
里美『……よっ!』
里美くんが立っていた
まぁ、
イケメンでモテモテなため
周りには
多くの女が、いるけど……
そんな人達を通り抜けてきた里美くん
『どうしたの?』
里美『校庭で、倒れそうだったから、心配で』
『俺は、そんな弱くないもん』
里美『でも、元気そうで良かったな』
『あっそ……/////』
心配して、駆けつけてくれた里美くん
里美くんを独り占めしているみたいで
嬉しい
『ありがと……』
里美『…………ん』
ナデナデ
頭を撫でてくる里美くん
撫でた部分が
とても熱くて
顔まで熱くなるのを感じた
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!