第33話

第21話🏴❤‍🩹
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2024/03/15 01:54
――――本編太宰side
太宰治
ぇ………あ、
眼の前には、仲間武装探偵社の皆が血に塗れた姿。


その上には、赤黒い紋章を浮かべた元相棒


重要な時に、この無駄によく回る頭は役に立ってはくれない。


なんで?どうして?何があった?


そんな疑問が頭の中を駆け巡る。


その間にも、仲間達…敦君、国木田君、賢治君、谷崎君、鏡花ちゃん…


彼等彼女等の息は、少しずつ…少しずつ、然し着実に潜められていく。
太宰治
……ひゅっ……
鈍器で殴られたかの様な衝撃が思考を遮ったかと思うと、


簡単にできていた息が………頸を絞められたように、し辛くなった。
太宰治
ッ……………はっ……
血なんて、見慣れていた筈だ。


ヨコハマの街で息をする以上、殺人だなんて云う犯罪行為は


常に隣り合わせで生きているようなもの。


それこそ、あの時代ポートマフィアで嫌という程目にしてきた。


………目にしてきた、筈、なのに。
太宰治
……ッッ………!
嗚呼、“月日”というものはなんて無情で非道なものか。


……此処迄に、人を変えるのか。


途端に、今迄押し殺してきたもの恐怖が、溢れてきそうな気がして。


思わず手を強く握り込む。
中原中也(本編)
ハッ、ざまぁねぇなぁ糞太宰ィ
_____何処からか、聞こえる筈のない声が聞こえた。
中原中也(本編)
面白ぇ顔してンじゃねぇか………手前のその顔泣きそうな顔

中原中也(本編)
百億の名画にも優るぜェ?似合わねぇことしてンじゃねぇよ

中原中也(本編)
……手前の吠え面、楽しみだなァ!


太宰治
……っふふ
太宰治
あっはっはっはっは!
太宰治
んふっ、ふふふっ………
太宰治
はーぁ……
何処迄も私は自殺嗜癖で、人間失格な社会不適合者だ。


しかし、こんな私にもまだ其れ信頼が残っているのなら。
太宰治
…期待には、答えなければならないね
何故なら、私は太宰治。




元ポートマフィア、歴代最年少幹部の肩書を持つ“裏”の人間。




現武装探偵社員、社の信頼と民草の崇敬を一身に浴する“表”の人間。




_____そんな人間がこんな処でくたばっていちゃあ、
太宰治
面白く、ないだろう?
折角、此の舞台最悪の嫌がらせを相棒が用意してくれたんだ…


思う存分に楽しんで、負かして、“吠え面を”拝まないと気が済まない!
太宰治
(…先ずは、状況を把握…その後行動)
敦君、国木田君、賢治君、谷崎君、鏡花ちゃんは倒れている。


が、息はある。直ぐに医者に見せれば問題はないだろう。


それに、あの中倒れてる人に与謝野女医はいない。乱歩さんも、社長も。


与謝野女医は一種の防衛線だ。前線に出したら勝率が格段に落ちる。


乱歩さんも、攻撃部隊より援護支援の指示出しの方が向いている。


社長は、非戦闘要員の2人を置いて行くとは思えない。


詰まり3人は今確実に生きていて、3人全員で居る……尚且つ、


現状確認のできる、最も安全な場所にいると考えるのが妥当だろう。


…………ヨコハマで、最も安全な場所。
太宰治
………ポートマフィア……!
2人がポートマフィアに居るという事は、自然と社長も居るだろう。


屹度、森さんと一時的な共同戦線の会議でもしているに違いない。


……そうと決まれば、私の遣ることはただ1つ。
太宰治
…中也を、止める
けど……

生憎私は肉体派ではない、頭脳派だ。

私の手となり足となって動く、仲間が要る。

最も適するのは…

瞬発力・動体視力・近接攻撃・危機察知の凡てに優れた敦君月下獣

今気絶している彼を起こすには衝撃を与える必要がある。

然し私が触ってしまうと、異能無効化が発動し、

虎の超再生が使えなくなり、敦君が危なくなる。

では物越しに触ってみよう。…………結果は変わらない。

…………却説、如何しよう。

今直ぐポートマフィアに戻って与謝野さんを呼ぶか?

……否、異能無効化が居なくなったら此の場所が光の速さで更地と化すだろう。

では、此処で中也と戦うか?

……否、肉弾戦には向いていない……それに異能無効化が有ると雖も、

“瓦礫等の速度による衝撃が抑えられる”というだけで、

“物質のそのものの質量・重力”が無効化出来る訳ではない。

あくまで“異能力が存在している”という前提条件がないと、

所詮此の異能は諸刃の剣、宝の持ち腐れだ。
思考を張り巡らせ、最適解を導き出す。


…皮肉なものだ、大嫌いなあの人森さんの癖がすっかり身についてしまった。


少しばかりの自嘲に耽っていると、





視界の端で、黒刃・・が蠢いた。





太宰治
…………っふふ、はははっ!!!
太宰治
いいねぇ、遣るようになったじゃあないか___
太宰治
________芥川君!
芥川龍之介
はッ……はッ……
芥川龍之介
ポートマフィア、探偵社、
異能特務課への連絡…ッ、完了ですっケホッ
太宰治
っふふ、ok
太宰治
ナイスタイミングだよ、芥川君
さぁ、手駒も揃った。
太宰治
………敵は1人。重力操作の異能。
少し声を低めにして、言葉を云う。
太宰治
敵の悉くを斬り刻め、そして知らしめてやれ
太宰治
此の街を傷つける者は、何れ程苛烈な刃に身を裂かれるか
太宰治
………行けるかい?
そして声色を戻し、ポートマフィアの時の様にそう告げる。
芥川龍之介
……勿論
芥川龍之介
貴方の“手となり足となり”、何処迄もお供します故
太宰治
(……嗚呼、矢っ張り君は)
私の期待を、絶対に裏切らないね。

いっそ、清々しいくらいだ。
少しの感心と成長を噛み締めていると、瓦礫が此方へと飛んでくる。


羅生門で防ごうとする芥川君を制し、態と頬に掠めた。


一筋の血が頬を滴り落ちる。
太宰治
君みたいな脳筋で莫迦で筋肉しか取り柄のないチビが、
私に勝つだなんて100億年早いね
太宰治
精々私の身長を追い抜かしてから挑んでき給え
太宰治
然し御生憎、私は君に負ける気など毛程もありゃしない
一歩前へと歩を進め、滞空する相棒を


嘲るような、挑発するようなそんな瞳で睨みつける。
太宰治
君はそれでも挑んでくるのだろう……、
まァ、それは其れで構わないのだけれど____と軽く言葉を紡ぎ。




























太宰治
_____遣って見給えよ、遣れるものなら
そう云い、悪戯っぽく微笑んだ。

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