第11話

第1章:私たちの境界線(ESFJ×ISTP)⑦
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2026/06/06 12:26 更新
ESFJ
ただいま
ESFJ母
おかえり、ESFJ
ESFJ母
遅かったじゃない
ESFJ
あ…ちょっと友達と遊んでて
ESFJ
ごめん。今度からはちゃんと連絡する
ESFJ母
いいのよ
ESFJ母
あんたは本当に『いい子』ね
ESFJ
…そうかな
 
私は2階へと続く階段をのぼり、奥の部屋に入っていった。
ここは、父の書斎。
本棚には魔法に関する書物がずらりと並ぶ。
 
…心が揺れたとき、私はいつもここに来る。
ISTPにとっての、あの海辺みたいなものだ。
 
本の中から、気まぐれに一冊選ぶ。
今日はーー『回復魔法全集』。
ESFJ
『リキッド・ゲリゾン』……
ESFJ
大切な人を癒す魔法、か
ふと、ISTPの顔が浮かんだ。
どうしてだろう…今日、会ったばかりなのに。
だけどたしかに、胸がほんのりと暖かい。
ESFJ
ふふ、覚えとこうかな
ESFJ母
ESFJ!何をしてるの!
ESFJ
っ!
ESFJ
お母さん…
ESFJ母
まさか、
魔法使いになろうとしてるんじゃないわよね
ESFJ
ち、違うよ!
ESFJ母
……ならいいけど
ESFJ母
父さんみたいに……
魔法使いになったらだめよ
ESFJ母
あの人は家族を捨てたんだから
ESFJ
……っ
ESFJ
お父さんを悪く言わないで!
ESFJ母
悪く言ってないわ
ESFJ母
だって、それが事実じゃない
……数年前、うちの両親は離婚した。
そのときのことは、嫌なくらいはっきり覚えている。
 
ESFJ母
どうせ、人間の私を見下してるんでしょ!?
ESFJ母
もう出て行ってよ!
ESFJ父
ああ、出て行くさ
ESFJ父
どっちみち…
人間と魔法使いが一緒に暮らすなんて、もう無理だろ
お父さん。
お願い…行かないで。
離れないで。
お願いだから……
 
……わかってる。
全部、あの法律のせいだ。
お父さんもお母さんも、悪くない。
ESFJ
(『人間と魔法使いは、互いに接触を避けること』)
ESFJ
(あれができてから、2人の仲が悪くなっていったんだ…)
こんな世界で、
私はどうすればいいんだろう。
 

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