第13話

pi × ヤクザ ②
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2025/01/14 09:46 更新
kr「それじゃあ地図もできたことだし、作戦会議をしよう」


sn「今回のメインはボスであるこの男を拘束し、警察に引き渡すこととなってます。ただし問題は、この男は警察と手を組んでいるという噂があります」


tr「簡単に引き渡しても良くないということですね。なら法で裁きましょう。新聞などやネットで悪事をばら撒き、言い逃れのないように」


pi「でもどうやって侵入する?アイツらかなり手強いらしいし」


sn「地図はあなたさんのおかげで完成しましたが、どうも厄介でして…」


kr「厄介?」


『あの男は簡単に姿を現しません。私がいたあの施設で姿を見たのは、3年いて5回だけです』


pi「5回!?」


『ですがその5回は、必ず部下が良い状態の女性を売買で下ろしてきた時や女性絡みが多いんです』


tr「なるほど…」


sn「ということで1つあるんですけど〜」


kr「なんだ?」


sn「最初はあなたさんが一度組織に戻るというフリで僕達が侵入するっていう手を考えてたんです」


pi「ダメだよそんなこと!」


sn「そう言うと思いました。なんで皆さん!女装しましょう!!」


tr & kr & pi「「「は?」」」

























pi「なんでこうなんだよ…」


sn「いぇーい!僕可愛いー!!」


kr「俺もか…」


tr「今回は大掛かりな作戦だよ皆。部下にやらせる訳にはいかないでしょ」


『そういうトラゾーさんは女装しないんですね?』


pi「コイツ筋肉ありすぎて全然女に見えなかったんだよ…」


tr「という訳で潜入者として行きます」


『なるほど』


pi「クロノアさん可愛い〜」


kr「うるさいなぁ笑」


『ぺいんとさんも良く似合ってますね』


pi「え、そう?」


『はい』


pi「ありがと…」


sn「あー?照れてますぅ?」


pi「だからお前うるせぇ!」


tr「はいはい行くぞ!笑」


























施設内に侵入し、とにかく走り回った。


部下にわざと見つかるために。


デジャヴだな……


そして私を見つけて捕まえるのは、トラゾーさんということになってる。


にしてもトラゾーさん、袋取るとあんな顔してるんだな。










「アイツ!脱走した女の1人だ!」


「捕まえろ!!」


「応援を呼ぶ!走り回ってる女を捕まえろ!」


『はぁ……はぁ……!』


「待て!」


tr「動くな!」


『っ…!』


tr「手を上げて降伏しろ。さもないと撃つぞ!」


『…』


「良くやった新人。コイツはあの方のお気に入りなんだよ」


『痛っ…!』


tr「拘束具は私が持っています。あの方の元へ向かいましょう」


「あぁ。早くしないと更に怒るからな」










トラゾーさんの演技凄いな……










tr「私は脱走した女を捜索する者として派遣されました。既に他の部下が3人捕まえて、あの方の元へ置いています」


「了解した。向かおう」


『っ…』











トラゾーさんに拘束具を付けられ、大人しく目的地へ向かうと


大きな扉の前に来た。


確か女の子達は、ここに皆連れて行かれた……


部下の人が扉を開けると…











「おぉ!お前は集めた女の中で1番良い顔をしていた女だ!」


『っ…』


tr「……本日4人、捜索しました」


「上出来だ!」











既に部屋にはクロノアさん、しにがみさん


そしてぺいんとさんも、降伏するように部屋に膝を立てていた。


私も床を触らされ、皆さんが動くのを待った。


もう、お前の好きにはさせない。


私のヒーローさん達が、お前を……!!











「まずは見つかったコイツらを味見といこうじゃないか!」


sn「ヒィ…!」


「お前らは下がっていいぞ」


「ハッ!」


tr「…」


「…おい、早くずらかるぞ!」











トラゾーさんは一緒にいた部下の人を、一瞬で気絶させた。










tr「下がらねぇよ!!」


pi「お前ぇ!!女性を傷付けるなんてどうかしてる!」


sn「本当ですよ!!」


『私達はあなたの敵です!』


kr「俺達は、日常組だ。」











クロノアさんがそういうと、部屋の扉や窓などから一斉に人が入ってきた。


この人たちはクロノアさん達の部下の方々だ。











「何っ…!?」


kr「女性を中心に拘束、監禁し自分の欲のために道具のように扱った。その罪、重く受け止めろ!!」


「だ、誰か!コイツらを!」


pi「もう誰も来ねぇぜ!」


tr「他の部下はすでに警察へ引き渡し済みだ」


sn「残ってるのはあなただけです!」


pi「お前はあなたや色んな人を傷つけた!許さねぇ!」


『ぺいんとさん…』


kr「捕まえろ!!」

























kr「終わったな」


pi「また派手にやりましたねぇ!」


kr「片付けが終わったら撤退だ。トラゾー、そう伝えに行こう」


tr「行きましょう!」


sn「僕も行きまーす!」











全てが終わり、なんとか組を解体することができた。


私の自由が手に入った。


これも全て、ぺいんとさんや日常組の皆様のおかげだ。











pi「あなた」


『あ、ぺいんとさん』


pi「終わったね」


『はい。私はしにがみさんのデジタルのサポートしかできず、なんだか申し訳ないです…』


pi「何言ってんだよ。あなたもすごくよく頑張ってくれた!」


『ぺいんとさん…』


pi「そもそもあなたが行動してくれたから、俺達は動くことができた。解放された女性達も自由を手に入れた。あなたのおかげじゃん」


『っ…』


pi「あなたはヒーローだよ。俺達がなりたいものだ!」











私は少し罪悪感があった。


私が動いたことで、何かは犠牲にした。


人の命や時間など。


自由を手に入れるには犠牲は必要だ。


でも私が犠牲になったのではなく、私以外の人だったら


そう考えてしまっていた。


でもぺいんとさんの言葉は、私の心を変えてくれた。


良い人だ。


私にとってのヒーローはぺいんとさんだ。











『私にとってのヒーローは…』


pi「ん?」


『え?』


pi「何か言った?」


『あ、いや…』


pi「ヒーローがなんとかって…」


『声に出てた…!』


pi「ふっは!なんかオモロいとこあるよなぁあなたって笑」


『えへへ…』


pi「そゆこと好きなんだなぁ」


『え』


pi「え?」


『え、えぇぇぇ!?』


pi「ど、どした?」


『い、今私が好きだって…!!』


pi「あ」











今の私物凄く顔が赤くなってるけど、ぺいんとさんも同じ。


何も話せなくなって、なんだか気まずい。


でもそんな沈黙を壊してくれたのはぺいんとさんだった。










pi「……あのさ」


『はっ、はい…』


pi「…」


『…さっきのは、本当ですか…?』


pi「…うん」


『い、いつから…?』


pi「出会った時から」


『…私は、さっき好きになりました』


pi「さっき?」


『はい…!』


pi「へぇ……なんか可愛いね」


『っ…』


pi「ごめっ……俺こんなキザじゃないんだけど…」


『ぺいんとさんらしくて、好きですよ?』


pi「ちょっ…!!」


『え?』


pi「俺無理!可愛い!!」


『あ、あははは…』











sn「でもキザすぎるのもよくないですよねぇ?」


tr「そうっすね〜」


kr「でもぺいんとらしいじゃん?」











pi「はっ!?!?」


『あ、皆さん!』


sn「良かったっすねぇぺいんとさん!」


tr「よかったなぺいんと!笑」


pi「何見てんだよ!!」


kr「俺らはずっと気づいてたよ。気づいていないのはぺいんとだけ」


pi「え…?」


sn「実は!ぺいんとさんはあなたさんとは、前に会ったことあるんですよ!」


pi「え、は!?」


tr「俺と飯食いに行った時の帰り道に、通り過ぎた人に一目惚れしてただろ?そもそもぺいんとが一目惚れするなんて珍しいしさ」


kr「だから仕込んだってわけ〜」


pi「し、仕込んだってまさか!!」











ぺいんとさんはようやく話を理解したらしい。


なんとこれは、とあるドッキリなのである。


どこからがドッキリだって?


そりゃもちろん、最初から!











『クロノアさんから直々に相談をされまして。私はヤクザに追われる身ではありません。ただの大学生です』


pi「え、あなたも!?」


『大学の学費の返済を手伝う代わりに、ぺいんとさんに会ってあげてほしいと言われて…』


kr「改めて、強引で本当に申し訳ない…!」


『いえいえ!私も戸惑いましたけど、ぺいんとさんを好きになっちゃったわけですし…!』


tr「でも、本当にいいんすか?俺達は反社って奴ですよ」


『以前お話しした通り、私には両親や身寄りはありません。なので大丈夫です。私は私のしたいことをします』


sn「カッコいいー!」


pi「あなた…」


『私は今、ぺいんとさんと出会えてとても幸せです!』


pi「あなた〜!」
























『ぺいんとさん』


pi「…ん…?」


『おはようございます』


pi「んん…!!あ"ー…」


『今日は調査のはずですよ』


pi「あなた代わりに行ってきて…」


『ダメです!またクロノアさんに叱られますよ!』


pi「……行く」


『ふふっ』











一つ屋根の下で暮らすことになった私は、日常組で情報収集役として仕事をしている。


大学でパソコンを学んでよかった。


まるで本当の家族のような私達は、反社でも幸せだと思う。









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