第6話

ろく(過去編3)
247
2022/09/30 16:51 更新
明日から3月。
そろそろ卒業式の準備とか始まるのかな…。
今はただそんなことしか考えられない

竜胆、ほんとに良いの?今起きないと卒業式出れないよ?先生とちゃんとお別れしなくていいの?あなたも来てくれるんだよ…?せめて卒業式は出て欲しいな…なんて自分勝手な期待を竜胆に押し付けて何がしたいんだか、





【あなたの名字あなた】
幼少期からの幼馴染で竜胆の1つ上、つまり俺と同い年。親が厳しくてお見舞いには来れないけど竜胆が退院した時とかに面倒を見てくれる。
竜胆もあなたにべったりで俺には見せてくれない笑顔とかよく見せてるんだけどそこにちょっと嫉妬してたりする。最近は会えてなかったけど、この前会った時に少しだけ話したんだ。
そしたら…
『竜ちゃんが卒業式に出るならもちろん行くよ』
って言ってくれた。

とにかく竜胆の喜ぶ顔が見たい。苦しい顔じゃなくて、あなたと会った時みたいな笑顔をもう一度見たい。そんな事を願いながら今日も竜胆が起きるのを待ってる俺がいる。





数時間後
……ナデナデ
竜胆
…ピクッ
…竜胆、?
気の所為だろうか、今一瞬でも竜胆の手が動いた気がした。いや、気の所為だろうな…これで起きてくれたら奇跡だよ。なんて考えてるとその奇跡が起きたんだ。
竜胆
……にぃ、ちゃ…
!!ポロポロ
涙が止まらなかった。こんな奇跡が起きるなんて誰も想像してなかっただろうな、俺ですら諦めてたのに竜胆は期待に応えてくれた。
俺はすぐさまナースコールを押し、父さんが来るまでずっと竜胆の手を握って泣いてた。
よかった…ポロポロ
竜胆
……なか、な..い、で…
ずっと寝てたからか声が出しずらそうで掠れてた。でも頑張って話しかけてくれた、俺はそれが嬉しすぎて更に涙が止まらなくなった。何回もありがとうって言って、いつも通り頭を撫でてやった。そーすると竜胆が可愛い顔で嬉しそうに微笑むんだ、前と同じように…。
痛いとこない、?大丈夫?ナデナデ
竜胆
…ぅん、だい、じょーぶ……ニコ
……そっか、ニヘ
竜胆の笑顔に安心して顔を緩めるといきなり病室の扉が開き、父さんが入ってきた。思ったより早く来て少しびっくりしたのは内緒。
父さんは急いで竜胆に近寄ると聴診器を取り出しちょっとした検査をした。終わったのか道具をしまい、竜胆と目を合わせた瞬間優しく抱きしめた。
…辛い思いさせてごめんな、ナデナデ
竜胆
……ポロポロ
竜胆も安心したのか涙を流し、ずっと謝ってた。
『心配かけてごめんなさい』
きっと本人もわかってたんだろう。自分の決断が駄目だったこと、それくらい自分が愛されていたこと。後悔するだろうな、自殺行為をして約5ヶ月間の時間を無駄にしたって…。ただそれで学んだこともある。家族にとって自分がどれだけ大事なのか、後はこの次がない事だけを願うのみ。



少し時間が経って落ち着いた頃。詳しく検査するために竜胆は連れて行かれて、その間俺は竜胆の担任の先生とかと電話してた。もちろんあなたとも。竜胆が起きたよってことを報告すると先生は『良かったな』って愛想のない返事をしてたけど内心すごい喜んでるだろうな。先生は1年から6年まで、ずっと竜胆の担任だった。教師の中で誰よりも理解してて、頼りがいのある先生。あまり人に興味のない竜胆でも退院すると先生に会いたいからって調子の悪い日でも少しだけ行ってた。
先生〜、
先生
お!来たか〜
竜胆、おいで
竜胆
……ヒョコ
先生
くっ…
可愛いでしょ。ひょっこりんどー
先生
可愛い…な。
だろ。ほら、先生待ってるよ〜
先生
おいで〜((しゃがんで手広げてる
竜胆
!!トテトテ…
カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ((連写中
先生
よっ…と。ユサッ
竜胆
んぅ…
先生
今日も来れて偉いな〜ニコッ
竜胆
…へへ、///
先生
よし、保健室行くぞ〜♡
お〜♡



先生
ちょっとここで待っててな〜
竜胆
ぅ…チョコン
別室
今日はあんまり動かさない方が良いかも、昨日夜寝れなかったらしいから寝不足でフラフラしてる。
あと1週間か2週間後くらいにまた病院戻るから出来たらプリントとか早めに印刷して欲しい。のと今日の薬これね。
先生
了解、来週までに渡せば間に合う?
全然よゆー。
先生
じゃあ木曜日くらいに渡すわ
はーい
先生
てか敬語使えよな…
え、今更?
先生
…確かに
竜胆待ってるから行こ〜
先生
はいはい
みたいな感じで友達感覚で話してた俺ってすごくね?他の先生には任せられないからお昼の薬とかその日の体調とかは竜胆が登校した時に言ってた。あと次の入院日とかも。そのおかげでちゃんと勉強にはついていけてたし何も困ることは無かったかな。中学ほんとに心配なんだけど大丈夫かな…。今考えるともう先生居ないじゃん。すごい不安になってきた。

あなたは素直に喜んでた。卒業式のことも話たり、意外と長く話してたかも。多分すぐに退院は出来ないから卒業式だけ特別許可得て行く感じになると思うとかそんな感じ。電話してると時間が経つのが早く検査を終えた竜胆が帰ってきた。寝たきりだった為足に力が入んなくなって今は抱っこだけど、リハビリとかして6月くらいまでに歩けるようになったらラッキー程度かな。別に歩けるようになったからって退院できるとは限らないからゆっくりでも良いんだけど。1年生の間に1回は学校行って欲しいな、秋とか気温がちょうどいい時期とかに…。
竜胆
にいちゃ…でんわ、だれ?
ベットに戻って俺が電話してるのに気づいたのか電話相手を聞いてきた。相変わらず出しにくいのか話すスピードがゆっくりで可愛い…
あなただよ。代わろっか?
竜胆
!!コクコクッ
はいはいw
あなた〜竜胆に代わるね
あなた
『はーい』
ん、どーぞ
竜胆
ぁ、ありゃと…
ニコ…ポンポン
あなた
『もしもーし、竜ちゃ〜ん?』
竜胆
あなたのニックネームちゃ…!
あなた
『久しぶりだね〜』
竜胆
コクコクッ…ひさ、し..ぶり…!
あなた
『可愛い〜wあ、今週お見舞い行くからね〜』
竜胆
!ほん、と…!?
あなた
『うん〜お母さんが良いよって言ってくれたから蘭と一緒に行きますぞ〜』
竜胆
たのしみ…ニヘ
あなた
『私も楽しみ〜、会ったらまた沢山話そーね〜』
竜胆
ぅん…!
竜胆
ぁ、にぃちゃん、に…かわる…ね
あなた
『はぁい』
竜胆
にいちゃ…スッ
ありがと♡ナデナデ
竜胆
んぅ…
いつだっけ?金曜日?
あなた
『そそ、ちょうど学校休みだし』
おっけ。時間になったら迎えに行く
あなた
『了解。9時だよね?』
うん
あなた
『ん、じゃあまた金曜日に』
うん、またな
話終わったあと電話を切ってポッケにしまうと竜胆がじっと見ているのに気づいた。
どーした?
竜胆
…だっこ、
…甘えん坊だな〜♡ユサッ
竜胆
ふゅ…ギュ
竜胆も寂しかったのかなとか勝手な妄想広げながら軽くなった体を持ち上げてベットに座る。俺の服に顔擦り付けたり匂い嗅いだりと色々子猫っぽい行動してるが可愛いのでこのままでいて欲しいとか思っちゃう。
、?竜胆泣いた?
検査から戻って来て竜胆の目元が赤かったのに今気づいた。検査行く前までは落ち着いてたからここまででは無かったんだけど、多分検査で泣いちゃったのかな…?でも素直じゃない可愛い竜胆は泣いてないよって強がってた。そこでまた弟可愛いメーターが倍になる。まぁ、頑張った証拠だし褒めてあげるかとか思いながら竜胆が寝落ちするまでずっと抱っこしてた。

数分後
中々寝てくれなくて焦ってます。どうしたらいいんだ、このかわい子ちゃん。
竜胆〜寝よ〜
竜胆
……ガブッ
いて"ッ…
しかも寝かせようとすると首元噛んでくるし。ほんとどうしたらいいの。ちなみに手加減してくれないからすごい痛い。
竜胆
スリスリ…♡
りんど〜…兄ちゃん痛い、
竜胆
ふふ…ハムッ
うん…可愛いね。ナデナデ
あ、つい本音が…ほんとは兄として叱ってあげないとなんだろうけどこんな可愛い子を叱るなんて無理がある。甘噛みもしてくるしガチの猫になってしまった…

なんて悩んでるといつの間にか寝てた竜胆くん。俺の悩んでた時間はどこへ。でも寝顔可愛いから許す。匂いで落ち着いてるのか俺の服掴みながら寝てるのがさらに可愛い。さっきから可愛いしか言ってない。けどほんとに可愛いんだよ




まぁそんなんで色々あって、卒業式3日前。ちなみに生徒には竜胆が行くってことを伝えてないから簡単に言えばサプライズ的な。クラスでも学年でも好かれてたからみんな喜ぶと思う。保健室通学の日でも態々会いに来てくれる子もいたくらい。きっとみんなも竜胆の可愛さに気づいてるんだろうn…




てことで当日になった。時間が経つのは早いね、式に間に合うように遅れて行くから朝はのんびり準備する。卒業式と言っても竜胆自身、体調のことを考え前に出すのは無理だろうということで俺と先生達が座ってるところで参加予定。みんなが入ってくる時には他の先生と座って待機、竜胆がやりやすくて皆が満足出来るプログラムを設定してくれてるから後は人が多いのを何とかすれば竜胆も楽しめるよね…でも卒業式だからどうしても人混みは避けられないし所々で抜けることになるかな。出来れば最後まで出たいけど無理させてまで居させたくないから最悪途中で帰るかもしれないけど。

そんなこんなで自分の準備が終わったんで目の前ですやすや寝てる可愛い子を起こします
竜胆〜…おはよ
竜胆
………
しんどいね…落ち着いたら準備しよっか、ユサッ
朝はすごい弱い方でほんとに駄目な日は起きて早々泣く。落ち着くまでの時間が長いから手っ取り早く二度寝させることも多々あったり…。今日はそこまででは無いけどしんどそうだから少し落ち着かせてから準備する。ほんとは薬飲ませたいんだけど式中に副作用が出ても困るから今日はちょっと我慢。落ち着かせてる間に髪梳かしていつものふわふわ竜胆にします。父さんと母さんに似て髪質がほんとに良い。寝癖は付かないし櫛なしでも戻るからすごい楽。って言ってるけど俺も同じ。
そろそろ落ち着いた頃かなってことで着替えさせる。本来ならちゃんとした制服とか着せたかったんだけどそれだと息苦しくなっちゃうからオーバーサイズのパーカーに中学のズボンで何とか雰囲気だけでも…。オーバーサイズって言っても俺のだと大きすぎるので竜胆サイズの着せる。前より痩せたしオーバーって言えばオーバーだから良いよね。てことで着替え完了。
可愛さ増して心臓爆発しそうな兄です。もう卒業しちゃうのか…ちょっと寂しいな、なんて考えながら時間になったので下に降ります。ちょうどいい時間で車が迎えに来てたからラッキー。


はい、学校到着。校門で先生が待ってたから少し話す時間あるかな。
おいで、
竜胆
んぅ…((手伸ばす
ユサッ…
先生
おはよう。
はよ
竜胆
……ギュ
先生
ちゃんと来れて偉いな。ポンポン
竜胆
…コクンッ
先生
まだ時間あるから保健室で待ってるか、5分前くらいに他の先生が迎え行くから
ん。
その後先生と一緒に保健室行って時間になるまで待機。きっと、誰しもが卒業式だから成功するだろうって思ってただろうな。俺だって、今日くらいは竜胆も楽しく参加できると思ってた。あの先生さえ居なければ…。













𝑒𝑛𝑑𓂃◌𓈒𓐍
莉音
はい
莉音
ちゃんと起こしましたよ(?)
莉音
卒業式、何が起こるんでしょうね〜
莉音
ちなみにこれは現実とは全くもって関係ないです
莉音
過去編はスカウトされたところくらいまでやろうかと
莉音
中学校どうなるかお楽しみに

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