数週間経つと、私の身体のケガも治っていった。
毎日仲間たちがお見舞いに来てくれて、ついでにお喋りを楽しんだり、食べ物なんかを持ってきてくれたりで……申し訳ないと感じつつも、内心すごく嬉しかった。
ようやく目の充血も治り、頭の傷も塞がった頃…
これと言ったことじゃないが、私は仲間たちのことも呼び捨てで呼ぶようになった。
ピンキが作ったフワフワのパンは、生地がモチモチしていて、とても柔らかかった。
ふんわりと甘い香りが、部屋中を漂っている。
今日も、こうして楽しい朝から一日が始まる。
私は身支度を整え、久しぶりに外に出た。
暖かいそよ風が私の顔に当たる。
スカイが言ってた通り、今日はいい天気だな…
私は、ミスター・ツリーのところへ向かった。
治ったら真っ先に会いに行くと、この間約束したのだ。
行く途中では、何人かの仲間たちの姿を見かけた。
私とミスターツリーは、心ゆくまでたくさんお喋りした。音楽隊のことや、最近あった楽しかったことなんかをたくさん話した。
楽しくて、時間も忘れて….
こうして何気ない日常が、半分過ぎていった…。
こうして話していると…….
見知らぬ人の大きな手が私を掴もうとする…..
何なの….この人….初対面だし….ろくに紹介もしてないのに…..馴れ馴れしすぎるし、何より気持ち悪い。
でも…..身体が強張って抵抗できない…..
誰か、助けて…..
グッドタイミングで、ラディが助けに来てくれた。
私を守るように前に立ちはだかって、男の人に鋭い視線を向ける。

ラディの圧力に負けたのか、男の人は逃げていった。
夜
最近は、「楽しい」と思うことが増えた気がする。
明日も良い一日になるといいな……。
第十話 何気ないけど、楽しい日常 終





















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!