第16話

15話
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2024/04/03 09:00





翔飛 side

お兄さんたちが出ていってから、
俺達2人はリビングで駄弁っていた。
紫橙 茅乃
エミさんな?記憶力もなくなっててんw
紫橙 翔飛(shp)
おじいちゃんやんww
紫橙 翔飛(shp)
もう年ですかねぇ..とか言ってそうw
紫橙 茅乃
分かるわぁw


なんて駄弁っていたら、
3人は部屋から出てきた。

薄っすらと見える父さんの部屋は薄汚れていて
誰も手入れはしてないだろう。
まぁ俺も父さんのことは嫌いやし
やらないんやけどね。


なんて考えていたら扉はしまって、
俺の番が来た。

エミさんは、
チーノのときと同じようなことを言うと
慣れたように階段を上がる。
紫橙 翔飛(shp)
えみさん、俺の部屋あんま綺麗じゃあらへん。
茶島 恵美(em)
大丈夫ですよ、別に引きませんし
紫橙 翔飛(shp)
恥ずいのは俺やねんけど...

なんて届くはずのない抵抗を述べながら、
結局俺の部屋に引きずられ扉を開いた。

仕方がないから、
チーノが座る方とは反対の座布団に座らせて
俺はいつもの座布団をエミさんと
対面になるようにおいた。
茶島 恵美(em)
最近はどうですか?
紫橙 翔飛(shp)
ん~...チーノが言うには一回幼児退行したらしいんやけど、それ以外はあんま....
茶島 恵美(em)
そか、ならよかってんけどw
嬉しそうにふわりと笑うエミさん。

俺は少し雑談したい気分になって
部屋について触れた。
紫橙 翔飛(shp)
どや、俺の部屋汚いやんな?
茶島 恵美(em)
そうでしょうか、趣味で溢れてていい部屋だと俺は思うで?
紫橙 翔飛(shp)
毎回チーノがちょっとずつ片付けんねんけど...
茶島 恵美(em)
また散らかしちゃうんやね?w
紫橙 翔飛(shp)
おん、ゲームしてたらこうなっててん
こうして少し雑談を挟むのが俺は好き。

友人と話しているときのようで気持ちがほぐれる。
最初にエミさんにそう伝えたから、
俺が好きな会話をスムーズにしてくれて
嬉しかった。


そして少し雑談を交えたあと、
また真剣な会話に戻る。
茶島 恵美(em)
ショッピくんはなにが怖いん?
紫橙 翔飛(shp)
なんで怖いって...
茶島 恵美(em)
ふふ、舐めんな?w
そういって優しく笑う彼。

いつもの彼で少し安心しながら、
自分が思うことを伝えた。
紫橙 翔飛(shp)
母さんは、多分俺のこと紹介したときに悪い印象を与えることを言ったやろし...コネさんとかゾムさんみたいにずっと一緒やった分けちゃうから何もわからなくて...
茶島 恵美(em)
そかそか
茶島 恵美(em)
とりあえず、彼らの気持ちは彼らから聞いてほしいから言わんとして、
紫橙 翔飛(shp)
うん
エミさんは、喧嘩の仲裁をするように
兄さんたちのことを俺に教えてくれた。

「特に悪く思っている点はない」こと、
「喋りかけたらきっと喜ぶ」こと、
「うまく喋れなくても許してくれるだろう」こと。

他にもいろんなことを教えてくれた。
お陰で俺の気持ちは少し軽くなった気がする。


そして、最後まで重い空気で終わるのは嫌なので
俺はまた雑談をした。
紫橙 翔飛(shp)
そういえば、チーノが記憶力もなくなってきたゆーてたけどほんま?
茶島 恵美(em)
え!?もうそれ広がってんの!?
茶島 恵美(em)
嘘かって言われたら本当やけど...w
紫橙 翔飛(shp)
おじいちゃんやんww
なんて煽れば
「君たちほんとに似てるんやから...」
と、困ったように眉を下げるエミさん。

その行動にまた幸せが溢れた。


自分で言った「おじいちゃん」という言葉に、
俺は少し不快感を覚える。

俺はその気持ちを何処かに押しやるために、
小さな声でつぶやいた。
紫橙 翔飛(shp)
まだ..どこにもいかんといてや....
それを聞き取ったのか、
エミさんは、ニッコリと微笑んで言った。
茶島 恵美(em)
行きませんよ、てか行きたくねぇw
紫橙 翔飛(shp)
ふははw
これじゃ、押しやろうにもおしやれへんやん。


なんて喉元まで出かかった言葉は飲み込んだ。





茶島 恵美(em)
それじゃあ、俺はここで失礼します。
茶島 恵美(em)
お茶とかお菓子、ありがとうございました!
そう言ってエミさんは家を背に歩いていった。


次会えるのは1ヶ月後らしい。
少し淋しいが、彼も仕事なので仕方がないことだ。

俺は自分にそう言い聞かせて
流れのまま部屋にそそくさと戻った。


さっきまでエミさんがいたと告げる匂いで、
淋しくなりながらベッドに横になる。



なにかを考える気力もわかず、
だからといって眠ることもできない。

いつメンのディスコードを見れば、
「作業通話」という名とともに数時間から
通話していたようだ。
面倒だし、とりあえず入るか...と思い
マイクをセットして
パソコンから入室ボタンを押した。





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