スンチョルside
授賞式か、
それも海外
ライブの後に
チャナが心配だ
まだまともに寝れていないのに、忙しいスケジュールをこなしながらフライトなんて絶対に体を壊す
それに気圧の変化は耳に悪い
チャナが嫌いなのはあの耳の詰まるような感覚
悪いことしかない
何かいい策はないのだろうか
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その夜
隣の部屋の奴らも集合して13人で夜ご飯を食べ終え、いつものようにガヤガヤと食器を片付けたり携帯を見たりと各自自由に過ごす中、チャナが突然口を開いた
その瞬間、リビングの騒音が一気に消え去る
小さな声だったけれど、必死なその言葉を誰1人として聞き逃さなかった
いつもなら返事もせず無視する奴らも、すぐに手を止めてチャナの言葉に耳を傾ける
みんなの視線がチャナ一点に集まった
みんなに急に見られたせいか、チャナは赤面した
言うことまで可愛いとは、
さっきほんのり赤くなったチャナの顔がさらに赤く染まっていく
そう答えた瞬間ほっとしたようにチャナは微笑んだ
ふとメンバー達に目をやると、チャナよりもずっと嬉しそうな顔でニヤついていた
何度かジャンケンを重ね、結局勝ったのはミョンホだった
じゃんけんに勝つなりミョンホはチャナを連れて凄まじい速さで隣の部屋に行ってしまった
そう言いながら隣の部屋の奴らは嬉しそうに帰って行った
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ミョンホside
お風呂など諸々を済ませ、チャナと2人でベッドに入り込む
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チャナが眠るのは案外早かった
でもまだ少し夢を見てしまうみたいで、たまに険しい顔をして、もぞっと動くこともあった
けれどその度に背中をさすりながら宥めてやれば、腕の中の可愛い弟は穏やかな顔をして眠りについた
チャナのさらさらな髪にそっとキスを落とすと、僕も目を閉じた
To be continued…→
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!