⚠この話は主の癖が詰まっています。小人化、マジ大好き⚠
急にエンドから呼び出されたアスランは、見知らぬ人がいるのを見てビビった。
仕方ない、彼女は生粋のビビリである。
ウインクを飛ばすエンド。
アスランはものすごく胡散臭そうに、試験管に満たされた蛍光ピンクの液体を見つめる。
イデオに言われるがまま、アスランは覚悟を決めて目を瞑り一気に薬を呷る。
…………………………………………………。
目を閉じたまま困惑するアスラン。が、
という声が聞こえて恐る恐る目を開けると、アスランの目の前には奇妙な光景が広がっていた。
大きい。
何もかもが自分よりはるかに大きい。さっきまで腰の位置にあった机の天板は、ビルの十階くらい高い位置にある。
という事は少し離れた所に見える黄色い巨大な靴は、ひょっとしなくても……!
アスランの価値観はどこまで行ってもアスランであった。
しかし幸いだったのは、エンドがその小さな叫び声に気づいた事である。
ピョンピョン跳ねて精一杯目立とうとするが、はるか上の方から何かが伸びてきたので、ビビり散らかして転んでしまった。
よく見れば黄色い手袋をしたボスの手だった。
机の上に持ち上げられながら、アスランは自分の置かれた状況を整理する。
まずよく分からない薬を飲まされ、体が縮んだ。ここまでは良い、だが今の自分はどのくらいの身長になっているのか?
さっきエンドの手に乗った時、今の自分が目視で『中指の先から掌の半ば』くらいまでの大きさになっている事が分かった。
そこから大雑把に算出すると……と、アスランは暗算を始める。
いくら父が数学者とは言え彼女の専門は美術である、数学ではない。
アスランは言われるがまま机に立つ。背中に定規がピタリと当てられた。
こんなミニサイズでは何も出来まい、とエンドは小さくなってしまったアスランを眺める。
「だから元に戻るまでそのままでお願~い」とドクターに手を合わせられ、アスランはため息をついた。
気弱な性格ゆえに、頼まれ事に弱いのである。
再び大きな手に優しく掴まれて(アスランの耐久力では普通に掴まれると圧死する可能性があるので)研究室から連れ出される。
普段リックたちが仕事をしている部屋に入ると、
反応がさながら父親と母親のようだ。
ひとしきり驚きまくった後、エイミーは拳をバキボキ鳴らしながら、
ちなみに日本で人気の着せ替え人形「リ●ちゃん人形」の身長は約22cm、アメリカでメジャーな着せ替え人形「●ービー人形」の身長は通常およそ29~30cmである。
それよりも小さいアスランは、エンドにとって余裕で手の上で弄べる存在……。
そう言いつつも恐る恐る両手を差し出したエイミーは、緊張しながらアスランを受け取った。
食べかけバウムクーヘンの乗った皿の横に、エイミーは恐る恐るアスランを下ろす。
仕事部屋を類まれなる脚力で飛び出していくエイミー。丁度すれ違って入ってきたグレイスが目を丸くして見送る。
何があったのか聞こうとしたが、机の上の小さいアスランを見て一つ咳払い。
聞いてよ~グレイスが僕にだけ酷いコト言ってくるよぉ~、とアスランを摘み上げて泣きつくエンド。
そのまま手の中に閉じ込めて、逃げ出そうとするアスランを弄ぶ。
正論を述べるリックだが、差し出されてしまったので反射的に受け取る。
この中にでも入っていてね、とグレイスはアスランを優しく持ち上げ、白衣のポケットに滑り込ませる。
少し薬品の臭いが漂う白く狭い空間は、意外と落ち着く場所だった。少なくとも手の上より。
ケーキ屋で気に入ったのか、エイミーはロールケーキを買って帰ってきた。
リックが平等に六つに切り分け、そのうち二つを他よりやや大きめの皿に乗せる。
エイミーは一切の躊躇をせず一気に飲み干す。
みるみる内に体が縮んでいき、アスランとほぼ同じくらいのサイズになった。
小人化した同僚を慎重に掴み、大きめの皿のすぐ近くに下ろす。
早速ケーキに齧り付くエイミー。顔中にクリームを付けて、幸せそうに頬張っている。
段々と消えていくロールケーキだが、普通人間の胃というのは自分の体積より多くの食料を納める事ができない。
にも関わらず、エイミーは既に自分の体重より多く平らげているように見える。
グレイスが指し示した先には、普段の一口分くらいが削られたロールケーキと、少し膨らんだお腹を擦るアスラン。
もう満腹のようである。
イデオがスポイトで薬液を二滴、それぞれの皿に垂らす。小人サイズでも十分効くよう、通常より成分などが濃縮されているのだろう。
小人二人が薬を飲み込むと、ハッとしたイデオが慌てて床に下ろす。
ルンルンで去って行くドクター。
そう呟くアスランだったが、後日また実験台になる事はもちろん知る由もない。
あんまり過激じゃない内容で薬のアイデア欲しいです……












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。