第66話

陸拾弐
242
2025/09/04 10:00 更新
視点無し

鎹鴉からの伝令の数刻前
藤崎と時透はとある森の中を見回りしていた
無一郎
(あれ…?ここの森って)

時透は気付きかけたがそこで思考を止めた

あの時ちゃんと聞けばよかった
と後悔することを彼はまだ知らない
ー現在

無一郎
(お館様!!)
あなた
………
藤崎と時透は森の中を駆けていた

無一郎視点

やっぱり見回りをしていたあの森は
お館様のお屋敷のすぐ近くだったッ!!
あなたは知ってたの?

僕はそう思いあなたに視線を向けた

あなた
………ッ
無一郎
ッ!!

彼女は泣いていた
悔しさからか唇を強く噛んでいた
無一郎
………
僕は泣いている彼女に何も言えなかった
あなた視点

あなた
(ごめんなさい…ッ!)
本部に向かってる最中
私はずっと謝っていた
あなた
(分かってたのに!!分かってたのに……っ!!)
こうなることが分かっていたのに
私はお館様を助けられなかった
本当は見回りと称して本部に行ってアイツに斬りかかってる間に輝利哉たちに頼んでお館様達を避難させるつもりだった


でもそんなことしてもお館様の呪いは消えないから
お館様が苦しむ姿を見ることになるから


そう思ってしまって行動に移せなかった
あなた
(ごめんなさい…)
あなた
(ごめんなさい)








実の娘として育ててもらった恩を返せなくてごめんなさい
あなた
(ごめんなさい…“お父様、お母様”)
あなた
(ひなき……にちか……)
不甲斐ない姉でごめんなさい
家族として過ごしてきたのに助けられなくてごめんなさい



何度も何度も何度も謝った
大切な人たちを失う苦しみはもう感じたくないのに
私はまた家族を失ってしまった
あなた
(鬼舞辻無惨…お前を私は許さない)
共に死ぬ覚悟はもう出来ている
視点無し

元鬼殺隊本部 産屋敷邸


柱は皆鴉の伝令により本部に向かっていた


実弥
っ!!

不死川が見たのは
焼け野原になっている産屋敷邸と
その中心に居る男
そしてその男と戦っている悲鳴嶼だった


実弥
テメェかァアア!!
実弥
お館様にィイ!!
実弥
何しやがったァアーーーーー!!


屋敷に到着した柱たちは次々と息を飲んだ

無一郎
八ッ…
あなた
…ッ
時透と藤崎も同様だった

中には声を上げる者もいた
蜜璃
お館様ァ!
小芭内
お館様!


行冥
(柱たちが集結)
行冥
(お館様の采配、見事…)


行冥
無惨だ!!
行冥
鬼舞辻無惨だ!!
行冥
奴は頚を斬っても死なない!!


実弥
(コイツがァ!!!)
蜜璃
(あれが…!!)
小芭内
(あの男が!!)
義勇
(奴が……!!)
しのぶ
(鬼舞辻!?)


炭治郎
無惨!!
冨岡と共に来ていた炭治郎が刀を抜きながら叫んだ
その瞬間
柱たちは一斉に呼吸を使った


無一郎
(霞の呼吸肆ノ型_)
しのぶ
(蟲の呼吸 蝶ノ舞_)
小芭内
(蛇の呼吸 壱ノ型_)
蜜璃
(恋の呼吸 伍ノ型_)
義勇
(水の呼吸 参ノ型_)
実弥
(風の呼吸 漆ノ型_)
あなた
(日の呼吸 伍ノ型_)
炭治郎
(ヒノカミ神楽_)



あなた
(陽華突…)
炭治郎
(陽華突…)

彼らが鬼舞辻に斬りかかろうとした瞬間
鬼舞辻
フッ……
鬼舞辻が鼻で笑ったと同時に琵琶の音がしたと同時に


あなた
っ!!!
地面が消え、無限の空間に落とされた
あなた視点



あなた
あっ!!!
突然地面が消えた
謎の空間に落とされた
落下の影響で耳飾りがカラカラ鳴り続けている

無一郎
あなた!!
無一郎は私に手を伸ばしてきた
あなた
無一郎!!
私も無一郎に手を伸ばした
無一郎が手を取った瞬間グイッと引いてきた
そのまま無一郎は私を抱き留めてくれた


無一郎
ここは
あなた
分からない
行冥
あなた様!!
あなた
行冥…

行冥の方を向いた時遠くに六つの目を持つ鬼を見た
あなた
っ!!





あなた
みち……かつさん………
無一郎
あなた?
行かなきゃ……
あなた
上に………上に行かなきゃ!!!
私は必死に腕を伸ばした
巌勝?
………
あなた
巌勝さん!!!
彼はその光景を見たあとすぐどこかへ行ってしまった
あなた
待って!!巌勝さん!!!
あなた
巌勝さん!!!!

私の声は届かなかった

無一郎
あなたっ!!
あなた
え…?
私が巌勝の方を見ている間に目の前から建物が迫っていたらしい

行冥が日輪刀の鉄球部分を振って壁を壊してくれた
私と無一郎はそれを合図にお互いから離れた

私たちが入った部屋のようなところには鬼が沢山いた

私は鉄珍様に打ってもらった蜜璃ちゃんと同じ刀を手にし
あなた
どいて!!!!
一瞬にして全ての鬼の頸を斬った
無一郎
流石あなた
行冥
お見事…
あなた
まだ終わってない
無一郎
……?
少し開けたところに出て、私は無一郎と行冥の方を向いて言った




あなた
ここからは別行動にしよう
無一郎
えっ!?
行冥
何故……
あなた
死なせたくないから
無一郎
死なないかもしれないじゃん!!
行冥
単独行動は危険すぎます…あなた様
行冥
何処から鬼が出てくるか分からないため……私たちと共に_
あなた
行冥、無一郎の事よろしくね


私はそう言って彼らの元を去った






無一郎
あなた!!!!
あなた
……っ
私の名を叫ぶ彼の声を無視して



さっきから涙が止まらない
本部に着いてからずっと私は涙を流し続けている
今日で死ぬのが分かっているからなのか
あの人を斬るのが怖いのか





大切な愛弟子と離れる決断をしたからなのか
あなた
ごめんね……無一郎
今日の私は謝ってばかりだ
無一郎視点

あなたの背中が遠くなっていく
無一郎
悲鳴嶼さん!!
行冥
駄目だ…時透……
無一郎
どうして!!
さっきまで一緒にあなたを止めてたじゃん……
無一郎
どうして……

僕はまた大切な人を失うのか
鬼によって___


行冥
行くぞ時透
行冥
大丈夫だ、あなた様は死なない
行冥
あなた様は私より強く隊士としての歴も長い
行冥
そう簡単に死ぬようなお方ではない


無一郎
……そうですね
行冥
必ず鬼舞辻を倒す前に合流しよう
無一郎
はい………



待ってて、あなた


無一郎
(すぐにそっちに向かうから!!!)

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