誰かの小さな呟きが、静寂な部屋に染み込むように消えた。
目が覚めたら、真っ白の部屋にいた。
……フィクションの世界かよ。
周りを見渡すと、50人くらい人がいる。
どこかで見覚えのある親戚もいるなぁ…
正面のスクリーンに、無機質な文字が浮かび上がった。
目覚めたい人は右へ、目覚めたくない人は左へ進んでください。
気づいたら、そう呟いていた。
まぁ、起きてもいいことなんてない。
母親と父親に殴られるだけなんだから…、
行って、みるか……。
そう、誰かが嘲る。
当然だが、ここは無視。
んな馬鹿げたことを言ってる奴に、僕は興味ない。
ドアの先は、映画館のような場所だった。
10列くらいある座席たち、巨大なスクリーン。
そして、入ってすぐのところには小さな販売スペースがあった。
そう言いながら、僕たちに声をかけてくる。
こんなよく分からない状況で食欲なんて湧くわけないだろ_
そう思っていたのにさ。
と、誰もが気軽に注文する。
誰もお金を払っているそぶりがない。
どうやら、お金はかからないらしい。
気づけば、僕も喉が渇いていたらしく、オレンジジュースを注文していた。
席はどこにしようか…
あ、ここがいいな。
そう思いながら、足音すら立てずに、吸い込まれるように席に座った。
周りの人たちもそうだ。
今いる人だけで30人くらいいるのに、話し声以外無音。
学校で無音人間は僕だけだったのにな…
初めて出会った、同じ人たちに。
僕はオレンジジュースを置き、そっと一息つく。
暗転した画面に、最初のタイトルが映し出された。
“多重人格”__。
この画面を見ている君は、この言葉を聞いたことがあるだろうか?
⚠︎夢主はほとんど出てきません。
⚠︎ 解離性同一障害は、個人差が大きいです。また、作者の経験や調べたことをもとに書いているので、これが全てではありません。一例だと思ってください。
⚠︎流血表現、自傷行為や死に関する想像させる表現などがあります。
⚠︎BLやGLが少し含まれています。
⚠︎このお話はフィクションです。実際の企業や団体とは一切関係ありません。
先に警告しておきますが、
この作品はドロドロした闇が出てくるかもしれないので、
感受性の高い方にはあまりオススメできません。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。