会議終わったし自分の部屋に戻るか……
いや、あの部屋にも寄っていくか。
そうして向かった部屋は、
俺らの部屋がある3階の部屋の1つだった。
俺はそっとインターホンを押してみる。
ピーンポーン
そんな機械音が俺の耳に響いてくる。
うるさいな……。
ガチャッ
部屋から出てきたのは、
いつものように髪を下ろして編み込みしている中学生くらいの少女。
そう、この少女、莉愛も……
俺らと同業者、
つまり殺し屋だ。
俺は玄関からすぐの和室に腰を下ろす。
今日も渚沙ちゃんの護衛頑張らなきゃな……!
そんなことを思いながら、私は渚沙ちゃん達の後を追っていた。
渚沙ちゃん……いや、菜緒ちゃんは……、
とある人達に“恨まれて”狙われてるの。
私も何でかは知らない。
けど、菜緒ちゃん達が恨まれるような子ではないと思うの。
けど……、
やばっ……、
何とかしないと……。
そう思った時には、あの人達は渚沙ちゃんの腕を掴んでいた。
すぐに私は動き出す。
制限時間は渚沙ちゃんが振り返るまで。
制限時間内にこの人達を視界から外せれば良い。
簡単じゃない、
一瞬の気の緩みがミスを生むの。
私はその人達の1人、渚沙ちゃんの手を掴んでる人の手の力を緩めさせるために、
その人の手首近くのツボを押す。
急に手に力が入らなくなり、その人が声をあげそうになる。
私は、慌ててその人の口を塞ぐ。
渚沙ちゃんにバレないようにする。
……それが、私の使命なの。
そして、近くの壁の裏にその2人を連れていく。
あ、ちょうど良いところに多目的トイレがある……、
本来の用途とは違うことは知りつつも、2人をそこに連れ込む。
……この間、約2秒。
すごい、と思うかもしれないけど、
これくらい早くないとバレちゃうから。
だから、当たり前にしないといけないの。
私は、渚沙ちゃんを襲った人達を見る。
あまり声が大きいと外に聞こえるから、そっと話しかける。
そうだ、凛希くんから教えてもらった所に電話しないと……。
そう思って電話をかけてみる。
電話は、かなり早く繋いだ。
私は“凛希くん”と言いそうになって、慌てて訂正する。
相手が菜緒ちゃんの多重人格を知ってるかどうかは分からないから、一応。
あ、菜緒ちゃんの多重人格知ってる感じなんだ……。
ガチャッ
数分後、換気扇がパカッと開いた。
そして、そこから電話の人らしき人が降りてきた。
そう言い残して、私は換気扇を通ってその場から去った。
“あのこと”を言うべきか、言うべきでないか……、
迷う、な……かなり。
けど……、
そう言って、俺は莉愛に手を振る。
莉愛も、手を振り返す。
俺は莉愛に背中を向け、玄関に向かった。
ガチャッ












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!