『足引っ張んなよお前。』
「善処します……」
_____________
あれから、何事もなく平凡な日々を過ごして、今は9月
そして今日は実戦演習。
しかも暗殺科と一緒に。
実戦演習とは日本最大の殺し屋組織(※通称殺連)から実際に貰った低級任務を遂行するというもの。
今回は、暗殺科と毒殺科でペアをつくり、毒殺科の人が作った毒で暗殺科の人がターゲットを暗殺する。
ペアは予め先生同士で話し合い決めてあるらしい。
で、今日から約1週間前にそのペアが発表され、ペアと作戦を練って今日の実戦演習に望むのだが……
私は運に見放されているのだろうか…
なんとペアの相手があのJCC一番の問題児組の1人
赤尾リオンだということ。
しかも、赤尾リオンってあの4人の中で一番強いって聞いたことあるんだけど、
よく上の先輩カツアゲにしてるって聞くし……
ほんとに最悪
ちなみに友達は坂本とペアらしい
1週間前にペアを発表された時は流石に佐藤田先生を恨んだ
一応挨拶はした。
しかし作戦を練って毒の使用法を伝えないとなのに、赤尾は全くもって耳にしてくれないし
『ごちゃごちゃうるせぇんだよお前』
『毒なんて飲ませて終わりだろうが』
って言われておしまい。
いや、飲ませ方によっても毒のまわり方全然違ぇんだよ!
しかも今回の毒は飲ませる方じゃないし!
結局そのまま1週間経ってしまい今日に至る。
「(まじどーすんだよ)」
『じゃあ皆さん。無事に任務遂行頑張ってくださいね』
『ちゃんとペアの人と協力してね?』
「…(こっち見ながら言わないでくださいよ佐藤田先生)」
まぁ、やるしかないか、
赤尾に何処におびき寄せるなどを話そうとしたのだが……
「いねぇ」
置いてきやがったな
毒持ってんの私なんだけど
探しながら行くか
今回は毒殺することが任務遂行の条件だからあの赤尾も下手にターゲットを殺せないはず
てか殺さないでくれ、私にも響いてるくからそれ
そう思っていたら上から話しかけられた
『おい!お前遅せぇんだよ』
『チビなんだから早く歩けよな』
ディスりやがったな。てか上にいたのか
「ごめんなさい」
赤尾が高いだけだと思うんだけど…
『ったくよぉ、さっさとしろよな』
『おら、寄越せよ毒』
「渡す前に作戦聞いてください」
「それが毒を渡す条件です」
流石に作戦なしでいきなり殺しはきつい
しかも、私たちのターゲットだけ低級じゃないらしくB級レベル
一般人の中に紛れているから上手いこと引き寄せないと一般人にも被害が加わる
その言葉を聞いた瞬間赤尾の機嫌が悪くなったが気にしない
「いいですか。」
「私たちのターゲットは一般人の中に紛れてます」
「なので、私が上手いことターゲットを路地に連れ込みます」
「ハニトラするのでターゲットの気が緩んでいる間に赤尾さんが毒を仕組んで下さい」
『話と違ぇじゃねぇかよ、飲ませる毒じゃねぇのかよ』
人の話を聞け。
確かに毒と聞いたら飲ませる方を思い浮かべるかもしれないが今回は傷口から仕組ませる毒だと説明したぞ私は
「今回使用する毒は傷口から仕組ませる毒です」
「うなじにほんの数ミリでいいので相手がバレない程度に切り傷をつけてください」
「付けたら後はお好きに毒をぶっかけてください」
「私は上手いこと逃げるので」
「この毒触れたらほぼ即死なので十分に気をつけてください」
『上から目線だなおめー』
「こうでも言わないと無事に任務遂行できない気がしたので」
『チッ、わぁーたよ』
『その作戦通りやればいいんだろ?』
『めんどくせぇなぁ』
「お願いしますよ。赤尾さん」
そう言いながら私は、赤尾に毒を渡した













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!