第4話

4話・連絡を返せない日々
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2025/05/29 13:16 更新
ホソクから、メッセージが来たのは、誕生日の数日後だった。
いつもの優しい口調で、何気ない一言。

「今週、時間ある? 久しぶりに会いたいな」

その文字を見た瞬間、胸の奥がズクンと痛んだ。
懐かしくて、でも苦しくて──
返事を打とうとして、指が止まった。

(会ったら、きっとまた笑っちゃう)
(何も言えないまま、またごまかしちゃう)

自分の気持ちを押し殺して、優しいふりをして、
「大丈夫」って言ってしまう自分が、目に見えるようだった。

そのくせ、既読もつけられなくて。
私はスマホを伏せて、ベッドに顔を埋めた。

(無視するなんて最低だって、分かってるのに)

返したい。ちゃんと話したい。
でも、もう一度傷つくのが怖い。

「忘れてたんだよ」って、軽く笑われたらどうしよう。
「言ってくれなきゃわかんないよ」って、責められたら──
私は、何も言い返せない。

だって、あの日。
私も、自分の気持ちをちゃんと伝えなかったから。

⸻

翌日も、スマホは鳴った。
ホソクからの短いスタンプ、心配そうなメッセージ。
それを、ただ見つめては、閉じることしかできなかった。

「無視してるんじゃない」
「言葉にできないだけ」
そう自分に言い聞かせても、何も変わらない。

どんどん積もっていく未読メッセージ。
どんどん薄くなっていく“ふたりの関係”。

⸻

夜、布団の中でホソクの名前を呼んだ。
届かないとわかっていても、小さく、声に出してみた。

「……ホソク……」

涙は出なかった。
ただ、胸の奥がじんと重くて、何度も深呼吸をした。

(あの人に、ちゃんと“寂しかった”って言えたら、何か変わるのかな)

そんなことを思ってしまう自分が、
誰よりもホソクを遠ざけている気がして、情けなかった。

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