第198話

失われた希望
102
2026/05/11 09:00 更新



サク


(なまえ)
あなた
(なまえ)
あなた
っ…………なに、どうしたの。
鬱、トントン。
tn
tn
振り向かんでも、誰が来たのか分かるんか。
(なまえ)
あなた
そんな白々しくせんでも、分かるやろ?
(なまえ)
あなた
何しに来たの。ここは俺しか知らないと思ってたんだけど、探し出してまで来るって、俺を呼びに来たの?
ut
ut
たまたま廊下から見えてさ。心配で来ただけやで。
(なまえ)
あなた
心配……?
(なまえ)
あなた
(とうとう俺も、心配されるようになったのかよ……)
(なまえ)
あなた
(あ…………ダメだ、溢れて、止まらない……)
(なまえ)
あなた
ははっ、そうだよな……心配、するよなぁ……
総合部隊隊長さまが、こんな所で突っ立ってたらなぁ……!
(なまえ)
あなた
あはははははっ!最っ高!!
ut
ut
あなた……
(なまえ)
あなた
見んじゃねぇよ!!!!
ut
ut
(なまえ)
あなた
俺はっ、アイツらの死体の上で笑ってたんだよ!!
(なまえ)
あなた
俺が笑ってりゃ、みんな安心してたんだよ……
それで、よかった……よかったのにっ……
(なまえ)
あなた
なんで……なんで笑ってない俺を見るんだよ!!
ut
ut
あなた、
(なまえ)
あなた
来るな……来るなよ……っ!



ザク、ザク


あなたは頭を抱えて、酔っているように足がふらつきながら後ずさる。

アネモネは、茎から折れていく。
(なまえ)
あなた
俺が、俺が全部悪いんだよ!!俺が総統なんかやってたから!!
(なまえ)
あなた
俺が作戦を出したから!!俺が、引き金を引いたから!!
(なまえ)
あなた
俺が、笑ってたからっ!!
tn
tn
あなた、落ち着け!
(なまえ)
あなた
落ち着いてられるかよっ!!
tn
tn
(なまえ)
あなた
俺はさぁ、あの時からずっと思ってたんだ……どうして誰も俺を責めないんだって……!あんなに死んだのに……!なんで誰も”お前のせいだ”って言わねぇんだよ……っ!!
(なまえ)
あなた
俺は……皆のことを守るために総統になったんだ……っ。なのに守れなかった。命令ひとつで、全部壊した……!
(なまえ)
あなた
あいつらの笑い声も、未来も……俺が潰したんだ……!
顔を覆ている両手からは、涙が零れていく。
ut
ut
あなた。誰も、お前を責める資格なんて持ってへんよ。
(なまえ)
あなた
違うんだよ……俺は、責められたかった……
(なまえ)
あなた
殺してほしかったんだよ!!!!
ut
ut

おい、俺の手を掴むな……何するつもりや!!
(なまえ)
あなた
なぁ、鬱……この国で一番の射撃能力を持ってるんだろ……?その手で俺を殺してくれよ……ずっと死にたかったんだ……
(なまえ)
あなた
俺にとって、この世は生き地獄だ……だから、死んで、本物の地獄に行かせてくれ……
大粒の涙を流しながら、あなたの顔は太陽のように笑っていた。
tn
tn
止めろ、あなた!!



ガシャン


トントンが、鬱の手にあった銃とあなたの手を叩き落とす。
(なまえ)
あなた
ははっ……俺、何人殺したんだっけな。
ut
ut
違うやろ!お前は、
(なまえ)
あなた
違わねぇよ!!!!
(なまえ)
あなた
なんで俺、生きてんの……
(なまえ)
あなた
俺、もう、いらないだろ…………あは、あははははっ……
(なまえ)
あなた
あっはっはっはっはっはっは!!!!
ut
ut
もういい、黙ってろ!!
鬱は、あなたを強引に引き寄せる。

暴れるあなたの拳が胸を叩く。
(なまえ)
あなた
離せ!!俺はまだ……笑わなきゃ……!!!!
ut
ut
もう笑うな!!
あなたが身体をびくりとさせて止まる。
足の力が抜け、身体が傾く。
ut
ut
あ、やべ……
tn
tn
もうちょっと鍛えんか、お前は。
あなたと共に倒れかけた鬱を、トントンが支える。
ut
ut
共倒れするとこやったー
助かったぜ、トントン。
tn
tn
俺が背負って医務室に運ぶから、大先生は神に伝えとって。
ut
ut
任せろ。









(なまえ)
あなた
だれにも……いわないで…………
tn
tn
(寝言か?……それとも、)



























─医務室─
si
si
そう……そんなことが、あったんやな…………
tn
tn
神が過保護になる理由、ちょっと分かったかもしれん。
si
si
嬉しい、っていう感想を言っとくよ。
tn
tn
後は、任せていいんかな?
si
si
うん……
tn
tn
……無理すんなよ。あなたを助けられるのは神だけかもしれんけど、神を助けられるのはいっぱい居るから。
si
si
うん、ありがと。

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