雨上がりの曇り空は、どこか中途半端で、
だけど少しだけ世界が綺麗に見えた。
アスファルトはまだ濡れていて、
街灯や車のライトをぼんやりと映している。
大学の帰り道。
いつものように、私たちは八人で並んで歩いていた。
「ねえ、あの講義さ、絶対寝てたでしょ」
「バレてた?いや、ちゃんと聞いてたって」
他愛もない会話。笑い声。
変わらないはずの日常が、そこにあった。
誰かがコンビニに寄るかどうかで揉めて、
誰かがスマホを見ながら適当に相槌を打って、
そんな、どこにでもある帰り道。
――そのはずだった。
遠くから、妙に大きなエンジン音が聞こえた。
振り返るよりも早く、ヘッドライトの光が、
やけに強く目に焼きつく。
「~~」
誰かの短い声。
次の瞬間、世界が、白く弾けた。
音も、痛みも、時間さえも、
全部がぐちゃぐちゃに混ざり合って――
そして、すべてが途切れた。
気がついたとき、
私はもう、あの帰り道にはいなかった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。