放送室の扉を開けようと扉に手を掛けた時、放送が鳴る。
__ピーンポーンパーンポーン__
__ピーンポーンパーンポーン__
しもごおり も ひばり も漢字がわからないけど、多分お洒落な漢字なんだろうな。
覚悟を決めて、勢いよく開けてみる。
中には、当然というべきか、誰もいなかった。
下凍 雲雀……
へぇ、こんな名前だったんだ。
そんなことを思っていると、なにかが当たる音がした。
そう言って彰人は、床に落ちていた何かを拾う。
それは、橙と黒の2色で構成されたノート。
__否、あれは。
見てみれば、橙の部分には「下凍 雲雀」と書かれている。
あぁ、絵を描いていた人の話だから、私の元に回ってきたんだ。
悪いと思いつつ開いてみれば、1ページ目にはでかでかと目標が書いてある。
「目標:高校アートコンクール、大賞」
そしてその下には、別の人の字でこう書かれていた。
「達成できなければ、東美の受験はさせません」
なんとなく、察せられるものがある。
多分、落ちたんだ。
それで、東美を受けられないことに絶望して……ってことだろう。
表彰って放送で言ってたのは、きっと、大賞を取りたかった気持ちの表れ。
それこそ、大賞を取る以外に満足する方法は恐らくない。
この子が満足する方法は、無い。
「ひとりでに鳴るピアノ」の少女の願いは、「かよちゃん」とやらに恋愛感情を受け入れてもらうことだ。
実際、その願いは叶えられないまま、ここに来た。
"したつもり"になっていただけだ。
「問一、「無人の校内放送」は実在するか」
答、実在する
「問二、発生場所はどこか」
答、放送室
「問三、なぜ生まれたか」
答、高校アートコンクールに落ちてしまって、大賞を貰えなかったから
















![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)



編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。