その名を──東京都立呪術高等専門学校。
そこが、これから虎杖を迎える新たな舞台の名前だった。
──東京都立呪術高等専門学校
それは、日本に2校しかない呪術教育機関の1校だ。
表向きには私立の宗教系学校とされている。
多くの呪術師が卒業後もここを起点に活動しており、教育のみならず任務の斡旋・サポートも行っている。呪術界の要。呪術高専 東京校と呼ぶ者もいる。
呪術高専は、山の頂上とその山腹に社寺しゃじを思わせる建物が並んでいて、およそ「東京」というイメージからは遠い風景だった。
そこに、虎杖いたどりと五条の姿があった。虎杖はリュックサックを背負っており、仙台から出てきた所だった。
死刑の執行猶予とは何だったのか。焦る虎杖。そこに、声がかかる。
──宿儺だ。その声は、虎杖の頬から。
「ぐぱっ」という粘ついた音とともに唐突に虎杖の頬が裂け、そこに生えた口が話していたのだ。
黙らせるように虎杖が自分の頬を叩く。
ーー曰く、飛騨の伝承に残る「両面宿儺」は、腕が4本・顔が2つある仮想の鬼神だが、しかし、虎杖の体に宿っているのは、1000年ほど前に実在した人間なのだという。
死蝋とは、腐敗せずに死体が蝋化ろうかして残ったもの。ミイラに並んで「永久死体」と呼ばれる状態となったものだ。呪術師では──五条ですら、指として残る死蝋を壊すことができなかった。
その様をさして、五条は言う。
そうな一部始終を上空からあなたの下の名前が見ていた
あなたの下の名前がいることに五条は気づかないわけがなかった
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。