言っていいのかな、
迷惑かけていいのかな、
でも、誰かに話を聞いて欲しかった
俺には兄がいる
……俺と二つ差の兄
数学や英語が苦手で
社会が得意
素行悪くて頭の出来も
お世辞にもいいとは言えない
バカほど可愛いと言う言葉がある
俺の両親は兄を愛していた
いや、兄だけを愛していた
テストの点だって、
成績だって
比べられた
俺が秀でていることの方が多かった.
それでも、親はそんな俺を欲していない
いつも褒められるのは兄で
貶されるのが俺.
家だけならまだ、耐えられた.
学校でもそれが続くのだ.
兄は俺と違って社交的だった.
ことあるごとに
教師陣は口を揃えていった
「兄の方が」
「お兄ちゃんの方が」
「なんで君は」
中途半端な俺に居場所はないみたいな気がして
誰もいない部屋
自分の部屋で
声を押し殺して泣いたこともある
誰にも見られたくない
そう思いながらきっと、
俺はずっと、
ずっと、
誰かに見て欲しかった.











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!